ピアノ雑感想

ここではぶらぶらといろんなピアノを弾いたり、聴いたりしての感想を書いていきます。 独断と偏見なので失礼があったらご容赦ください。

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kenban●2009年1月 謎のピアノ
kenban●2007年11月 2007年楽器フェア(レポート)
kenban●2007年7月 浜松楽器博物館〜その3〜
kenban●2007年7月 浜松楽器博物館〜その2〜
kenban●2007年7月 浜松楽器博物館〜その1〜
kenban●2007年2月 韓国のピアノ(ユン チャン&サミック)
kenban●2007年1月 1960年代のアポロピアノ
kenban●2006年4月 ホフマン〜モーツァルト時代のピアノ
kenban●2005年11月 2005年楽器フェア(レポート)
kenban●2005年10月 ヤマハの高級アップライト
kenban●2005年9月 渋谷の老舗にいってきました
kenban●2005年8月 パリにあったピアノたち
kenban●2005年3月 1年ぶりのイギリス館のヤマハ
kenban●2004年12月 はじめてのブリュートナー
kenban●2004年12月 NYスタインウエイの技術者だった人が設計したプレンバーガー
kenban●2004年11月 カワイ&ボストン
kenban●2004年9月 フップフェルト
kenban●2004年9月 アトラスピアノ
kenban●2004年8月 ルーテル市ヶ谷のスタインウエイ
kenban●2004年7月 自由学園「明日館」のハンマースピネット
kenban●2004年6月 国産、プルツナーピアノ
kenban●2004年6月 杉並区、かん芸館のプレイエル
kenban●2004年5月 Kさんの1935年製スタインウエイ
kenban●2004年4月 リストが所有していたチッカリングによる演奏のCD
kenban●2004年3月 日本ベーゼンドルファー主催のピアノセミナー1
kenban●2004年2月 横浜イギリス館のヤマハ
kenban●2004年2月 サントリーホールのスタインウエイ
kenban●2004年1月 「ピアノの魅力を考える〜異なる時代、異なるピアノ〜」に参加して
kenban●2003年11月 国立楽器、スタインウエイ試弾フェア
kenban●2003年11月 私の先生のスタインウエイ
kenban●2003年11月 国立楽器(写真あり)
kenban●2003年10月 2003年楽器フェア(レポート)
kenban●2003年10月 2003年楽器フェア
kenban●2003年10月 ベヒシュタイン創立150周年記念イベントに参加
kenban●2003年10月 イタリアの名器<ファツィオーリ>と炎のピアニスト、アルド・チッコリーニ
kenban●2003年9月 スタインウエイ Historical Grand、O−180
kenban●2003年8月 ピアノプラザ郡山
kenban●2003年7月 スタインウェイ&サンズ UP V型 125cm
kenban●2003年6月 ベヒシュタイン GP K158 M180 A189
kenban●2003年5月 ベーゼンドルファー GP Modell 170,185,200
kenban●2003年4月 ベヒシュタイン GP


●2009年1月 謎のピアノ

お正月に妻の実家に帰省してきました。 妻の実家は長野にありまして、近くに温泉施設があります。 そこの待合ホールにピアノが置いてありました。
「おっ」と思いまして見たら、「E(S?)chweigerstein」と書いてあります。 聞いたことのないブランドだな、と思いつつ、「音を出したい方はフロントまで」 と書いてあったので、少し触らせていただきました。 こういう施設においてあるピアノなので、まったく調整されていず、 もやもやの状態なので本来の音はわかりませんでした・・。
しかしブランド名がきになったので検索したりしましたが、 全然でてきません。どなたかご存知の方いらっしゃいませんか〜??

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●2007年7月 浜松楽器博物館〜その3〜

楽器博物館にはブリュートナーも置いてありました。ブリュートナーといえば アリコートシステムですよね(^^)。
通常ピアノの高音域は3本の弦が 張ってありますが、ブリュートナーは共鳴用に打弦しない弦を1本追加しているのです。 楽器博物館は弾かせてくれないので、どんな音がでるのかはわかりませんでした・・・。 本当に残念です。高音域の写真を撮りましたが、4本はってあるの、わかります?? ピン板の方に目をうつしていくと分かると思います(かろうじて)。
ブリュートナーはあまり日本では見かけませんが、戦前はベヒシュタインと並び称された 名器です。一度存分に弾いてみたいですね(^^)。

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●2007年7月 浜松楽器博物館〜その2〜

引き続き楽器博物館です。 すごくめずらしいプレイエルの2台用の1台ピアノです。 なんか不思議な説明ですが、正確なんです(^^)。 1台にまとめてあるのですが、両サイドに鍵盤があって向かい合って 2台のための曲が弾けるんです。不思議でしょう〜。 楽器博物館の後に訪問した日本ベーゼンドルファー社に同様のピアノが おいてあって弾けたのですが、なんとも不思議な感覚でした。 でも通常の2台で弾くよりも、より一体感があると思いました。

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●2007年7月 浜松楽器博物館〜その1〜

先日の台風4号の最中、旅行に行ってきました(泣)。本当は 京都から西日本を回る予定でしたが、台風近しとのニュースに、急遽 屋内で楽しめる浜松の楽器博物館と日本ベーゼンドルファー社に 寄ってきました。噂はかねがね聞いていましたが、すごいコレクションに 思わず興奮でした。楽器博物館は残念ながら音を出すことが禁止だったので 写真だけ載せます。弾いた感想がかけないのは本当に残念です。 これから少しづつUPしていきますね。
今回は、入館するといきなり置いてあったエラールです。 なんとも美しいシルエットにしばし見とれてしまいました(^^)。

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●2007年2月 韓国のピアノ(ユン チャン&サミック)

突然ですが、先日韓国のソウルに2泊3日で行ってきました。
街をぶらぶらしていると、楽器商店街というのが地図に載っていました。 これは見逃せないと思い、いってみるとものすごい数の楽器屋さんが あつまっています。ピアノをはじめ、シンセやギター、弦楽器など、 日本にもこれだけ集まっているのはないでしょう。まさに圧巻でした(^^)。 そんななかで僕が興味があったのは、やはりピアノでした。 ヤマハなども置いてありましたが、興味を引いたのは韓国のメーカーである、 ユンチャンとサミックです。
何台かパラパラ弾きました。それほどぐっとくる音はなかったのですが、 サミックは鍵盤が軽く、操作性がよさそうでした。ユンチャンは少し 重くて渋い音でカワイをイメージさせました。
ドキドキするような音はそれぞれしませんでしたが、こういうピアノも 面白いなと思わせてくれました。同じアジアなので応援したいメーカーですね(^^)。

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●2007年1月 1960年代のアポロピアノ

こちらは久しぶりの更新になってしまいました(汗)。 先週80歳を迎えられた知り合い(というのもおこがましいのですが・・・)のお宅に お誕生日会ということでお邪魔しました。

その方のお宅には、昔、娘さんが弾かれていたという、40年くらい前に購入された アポロピアノのアップライトが置いてありました。
アポロピアノは皆さんもご存知とは思いますが、今も東洋ピアノで 生産されているブランドです。とても興味があったので、あつかましいのですが 弾かせていただきました(笑)。

古いピアノは何か独特な音がするのですが、やはりこのアポロピアノも 木の温もりがする、丸くて温かい音がしていました。 2年に1度調律師さんにきてもらっているということで、高音域は少し音が くるっていたり、ダンパーがきちんときかない音があったりしていましたが、 その基調となる音は年齢を経たピアノにしかない、やさしさがありました。 こういうピアノに出会うと何か無性にうれしくなります。 「ここで大事にされていたんだね」と弾きながらピアノと話をしたような 気がして、幸せな気分になりました。

●2006年4月 ホフマン〜モーツァルト時代のピアノ

先週の土曜日に目白の明日館に渡辺慶子さん、崎川晶子さんのヴァイオリンと フォルテピアノのデユオリサイタルに行ってきました。 演奏はもちろんすばらしいものでした。
びっくりしたのは、今回使用されていたフォルテピアノは モーツァアルトが存命してた1790年ごろ、しかも同じウィーンで 製作されたホフマンというピアノだったことです。 このピアノは渡辺順生さんが所蔵されているのですが、 その典雅な響きにすっかり魅了されてしまいました。

今回はオールモーツァルトプログラムでした。 モーツァルトの曲というと、普段は現代ピアノで コロコロと粒がそろって、なおかつコントロールされた 感情表現で端正に弾くといった演奏が多いようなきがします。 しかしヴァイオリンソナタで顕著に感じたのですが、 当然このフォルテピアノの音は大きくないため、 本当にフォルテの音色で弾いてもヴァイオリンとのアンサンブルを 壊さないのです。そのため音量的にはそんなに大きくないにも かかわらず、すごくダイナミックな感じを受ける演奏に なっていました。音色自体も攻撃的なブリリアントなものではなく、 柔らかいものなので、弦楽器と本当に調和していました。
もちろん高音はどうしても痩せていて低音との音量的なバランスは ありませんが、ベヒシュタインにも通じる中音のまっすぐな魅力的な音。 そうなんです、この音の延長線上にベヒシュタインやベーゼンドルファーの 音がしっかりとイメージできたのは驚きでした。

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●2005年10月 ヤマハの高級アップライト

先日、銀座の楽器屋さんにいってきました。そこに、HPによく遊びにきてくださる yossanさんに以前にお知らせして頂いた、ヤマハの高級アップライト「SU7」と ベヒシュタインのアップライトが並べて置いてありました。
SU7は以前から機会があったら弾いてみたかっとのと、ベヒシュタインと 較べることできることがすごく面白そうだったので、早速店員さんに お願いして弾かせてもらいました。

SU7は200万円以上する、今まで国産ではなかった価格帯のアップライトです。 ヤマハのコンサートグランドCFVと同じ素材とラインを使わない丁寧な 仕上げということでした。さて、弾いてみると・・・。
う〜ん、たしかに今でのヤマハのアップライトと決定的に違う印象です。 まず音が美しい!その艶っぽい音は現代のピアノの良さをたしかに感じさせました。 店員さんがいうにはやはりアップライトなので連打などの操作性で グランドに一歩譲るということでしたが、僕の場合は 指のこともあってゆっくりした曲を弾いていたので、そういったことは まったく気になりませんでした。正直いってC3などのグランドよりも 音はきれいなような気がしました。
しばし弾いたあとに比較対象として すぐとなりにあったベヒシュタインを弾いてみました。 弾いてすぐ、あ〜やっぱりベヒシュタインの音だ、と分かります。 そして2つのピアノの個性の違いが感じられました。 ベヒシュタインはやはり木のぬくもりが感じれらる音が します。いっぽうヤマハの艶やかさもいいものがあります。 値段はかなり違いましたが、このあたりになると 好みで選んでもいいなという感じでした。
それにしてもヤマハのアップライトもここまできたか、と 感心ひとしきりでした(^^)。

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●2005年9月 渋谷の老舗にいってきました

先日仕事で渋谷近辺をあるいていて, 少し時間ができたので,ふと思い出して 一度も行ったことがなかった「川上楽器」を のぞいてきました。川上楽器は日本には ほとんど入ってこないイバッハを扱っている お店だったのでいつか行ってみたいお店で あったのです。
渋谷という土地柄あまり店内は広くありませんが, 2Fのショウルームにはいろいろなメーカーの アップライトピアノがところ狭しと並んでいて わくわくしました。
その中に,お目当てのイバッハが2台しっかりと 展示されていました。初めて弾くイバッハ。 しかし、今回では明確な印象を得ることは できませんでした。というのは、 2台が全然違うタイプだったのです。 1台はかなり渋い音色だったのに対して、 もう1台はポンポンなるピアノでした。 もう少しいろんなイバッハを弾いてみたいな〜と おもいました。
このお店にはイバッハの他にメイソン&ハムリンの アップライトやオーバーホールした1960年代の スタインウエイのアップライトが置いてあって すごく充実したショウルームです。
今回びっくりしたのはメイソン&ハムリンのアップライトです。 値段は90万くらいのものですが、そのパワーは ちょっとびっくりするものでした。アメリカのパワーというんでしょうか・・・。 ともかく、これだけのアップライトがたくさんショウルームに あると自分の好みの音色が分かってくるので、すごい 良いショウルームだな〜という感じでした。 みなさんも時間があったらぜひ覗いてみてくださいね。

●2005年8月 パリにあったピアノたち

昨年に引き続いてパリへいってきました。 パリは昔からクラシック音楽の一大中心地ですよね。
そんなわけでピアノも特にいろいろと探さなくてもちょっと気をつけていると 目に飛び込んできます(^^)。そんなパリのピアノたちを適当に書いてみます。 どこも写真はだめだったので、画像をお見せできないのが残念です。
まずパリで3日目くらいに滞在先のホテルの近くのブラッセリーで食事を しました。そこにはアップライトピアノが置いてあって食事中もずっと 気になっていたので、帰り際にふただけちらっと開けてみました。 するとなんと古いヤマハ!あらためてヤマハのすごさを感じた次第です。
ピアノをちらっと開けた僕らをみてギャルソンがなんか弾いてみろといいます。 あんまり言うので手の事を言い訳にするわけにもいかず「子供の情景」の1曲を さわりだけ弾きました。ドキドキでしたが、店内のお客さんも少し拍手をしてくれたので助かりました。 しかし当然ですが、パリにあってもやっぱりヤマハの音がしていてなんか日本の香りがしました。

パリ市内のはずれにパリコンセルヴァトワールとともに音楽博物館があります。 そこにはチェンバロやガンバなどの古楽器から20世紀初頭ぐらいまでの楽器が陳列されていました。 かなりの充実振りで1800年代のブロードウッドやいろんなペダルがついたエラール、ショパンの 時代のプレイエルなどたくさん置いてあって、わくわくしました。当然といえば当然ですが、 弾くことが不可だったのが残念です。

それからピエルフォンという中世のお城がパリ近郊にあります。 ここは中世にたてられたお城ではありますが、途中使われず荒廃したものを ナポレオン3世が居城にしようと修復したものです。そこを見学していると ふたがしまったグランドピアノが何気なく置いてありました。 ふたをあけることはできませんでしたので確証はありませんが、 ペダルの装飾からするとプレイエルのようでした。ナポレオン3世の 時代のものでしょうか。しばし空想していました(笑)。

最後はパリのピアノ店です。パリに1854年に開業した「MAGNE」という お店を覗いてみました。店内には50台くらいのピアノがところせましと 並んでいます。まずはアメリカのメイソン&ハムリン。日本ではまずみることが できないアメリカの名器です。ただ僕が弾いた感じでは少しもったりとした 感じで、そこまで魅力的ではありませんでした。
そしてベーゼンドルファーが何台か置いてありました。 地元のピアニストでしょうか、インペリアルモデルを 試弾しながらピアノを選んでいるようでした。
そして日本勢であるカワイやヤマハのブースもあります。 日本のメーカーはパリでも健闘していました。 さらにこのお店は修復もするらしく、1900年初頭の まだ交叉弦にしていないエラールのグランドピアノが ありました。典雅な響きはまさにエラールのイメージです。 魅力的な楽器でした。他にもベヒシュタインやシュタイングレーバーなど、 ピアノ好きには垂涎の的の楽器が置いてあって、いつまでいても 飽きないだろうと感じです。
日本語ではありませんが、HPアドレスを載せておきますね。 http://www.magne.fr

●2005年3月 1年ぶりのイギリス館のヤマハ

先日の21日、毎年仲間で開催しているコンサートをしてきました。 このコンサートは横浜のイギリス館での開催ときめてあるので、今年も こちらでした。

ここの会場はサロンになっていて本当に雰囲気がいいです。 最近人気が高いのか、以前はとりやすかったのですが、 なかなかとれなくなってきました。今回も午後の区分は とれなくて、午前中にリハ&調律をして、午後は一旦退出。 夜間にコンサートという変則的な利用になりました。

さてさて、ここのピアノは以前にも書きましたが、 ヤマハのSです。
毎年同じ場所でのコンサートなので、会場のピアノがどのように なっていくかを実感できるのもひとつの楽しみです。 というわけで、ピアノ自体にも興味があったコンサートです。 しかし、今回のピアノは少し残念なものでした。 音色に幅がなく、ダイタミックレンジは広いのですが、 少し暗い音色が大きくなったり、小さくなったりという感じで、 弾いていてワクワクするような楽しさがないのです。 反応が良い楽器だと、「こうするとどうなるかな〜」という感じで その場で弾き方が変わったりするのですが、今回は自分の状態のせいかも しれませんが、「どう弾いてもあんまりかわらないな〜」という 気持ちになってしまいました。
まだまだ新しい楽器なので来年は良い方向にかわっていくように! と思いました。

●2004年12月 はじめてのブリュートナー

昨日たまさか新宿をとおりかかったので、新宿に店を構えるピアノ屋さんをのぞいてみました。 このお店はかなりいろんな種類のピアノをあつかっているお店です。
今日はブリュートナーのGPが置いてありました。ブリュートナーはベヒシュタインや スタインウエイを同じ1853年創業の名門メーカーですよね。 戦前はベヒシュタインとともにドイツを代表するメーカーだったようです。 「ようです」というのは戦後は東ドイツに属したため、低迷したといわれたからです。 とはいっても僕は今日初めて出会うことができたので実際どうなのか分かりません。

昨日のピアノは1936年製ですので戦前でした。ブリュートナーといえば 「アリコートシステム」(アリコートはブリュートナーの特許です)という独特の 弦の張り方が有名ですね。通常3本のところ次高音にハンマーが打鍵しない共鳴用の 4本目の弦をはるというシステムです。これによって独特の音色が生まれるとの話を きいていたので、いつか弾いてみたいなって思っていたところなのです。
昨日ブリュートナーがあったときは、「やった」と思いました。しかしこのピアノは アリコートシステムが採用されたピアノではありませんでした。う〜ん残念。 しかし弾いてみるとなんとも言えない良い音がします。すごく暖かみのある 、木の温もりがある伸びやかな音でした。噂にたがわぬ名器だな〜としばしうっとりです(笑)。 こういったピアノは長い時間弾いていても疲れなそうです。
今度はアリコートがついているブリュートナーを弾いてみたいな〜。

●2004年12月 NYスタインウエイの技術者だった人が設計したプレンバーガー

こちらからリンクを貼らせていただいている、まどかさんから以前に教えていただいたピアノに プレンバーガーというメーカーがありました。聞いたことがなかったピアノだったので なにげに気になっていました。
昨日、赤羽にある楽器屋さんにちょっと立ち寄ったら、 「PRAMBERGER]というつづりのピアノがあるではないですか。 一瞬なんて読むのかな〜っておもって、「ぷ・・ら・・む・・ば・・」なんてたどたどしく 口にして、「あっ」って思いました。これがプレンバーガーだ。
早速お店の人に頼んで音をださせてもらいました。アップライトピアノで値段が60万円ほどでしたが、この値段とは 思えない音がします(失礼ですね)。

僕がこのぐらいの価格帯のピアノでよく不満に思うのは、音の発音ポイントがわからなくて鍵盤を押すと なんとなく音がはじまることです。鍵盤を押す過程でどこが発音ポイントか感覚的にわからないと 気楽にはごまかし弾きができますが、ポテンシャルの高いピアノになったときにまったく操作できなくない自分を 発見することになります。その点、このプレンバーガーはしっかりその部分が意識できました。 音量的にはさほどガツンとはでないようですが、家庭で弾くには十分鳴るような気がしました。
お店の人にどういったメーカーなのですか?って質問するとジョセフ・プレンバーガーという NYスタインウエイで設計・技術マネージャーをしていた人が設計して韓国のメーカーに製作してもらっている ピアノということでした。少しニュアンスは違いますが、カワイがボストンをつくっているのと似ているかもしれませんね。
化粧板のつくりとかは少し安さを感じさせますが、基本部分のポテンシャルは高いのではないかなって 思いました。こういった楽器がこの値段で販売されてくると国産ピアノも安穏とはしてられないな〜と、 となりに置いてある国産ピアノを弾きながら思ってしまいました。

●2004年11月 カワイ&ボストン

昨日、仕事で外にでていたら少し時間が空いてしまいました。
そういえば近くにカワイピアノの直営店があったな〜と思い出したのでちょこっとのぞいて見ました(^^)。 僕は小さい頃からヤマハを使っていたので、カワイのピアノに対して明確なイメージを もっていません。そして最近のカワイ、特にShigeru Kawaiはすごくいいということを 聞いたことがあったので、ちょうど良い機会だなと思った次第です。 仕事中になんだって感じですよね。まぁたまには息抜きも必要です(笑)。

ショウルームにはたくさんのアップライトピアノに並んで、グランドピアノである Shigeru KawaiのSK3、そしてスタインウエイがデザインしてカワイが生産しているボストンが 置いてありました。
まずSK3。かなり弾きやすいピアノでした。評判が良いのが分かります。音域間のバランスが良いので 気を使いすぎずに弾けるのです。音色は少し渋めですが、落ち着いたトーンが好きな人なら 気に入った楽器になると思いました。ただ新品だったせいか、音色をいろいろと出せるようなところまでは まだ楽器自体が熟成されていないという印象も受けました。なのでかなり弾ける人がきちんと鳴らしてあげて あげないと表情の乏しい楽器になってしまうかもしれません。これはどんな楽器でも同じことがいえますが・・。 ただきちんとケアしてあげればとっても良いピアノになるような潜在的なポテンシャルの高さを感じました。 ピアノを育てる楽しみもある楽器かもしれませんね。

次にボストンを弾いてみました。ボストンはスタインウエイがデザインしたというのがウリの楽器ですが、 並べて弾いてみると、SK3の方が断然いいのです。1台弾いただけなので評価するのは乱暴ですが、 音がすごく重くて長い時間弾いていると落ち込んでくるような印象でした。
カワイピアノとボストンピアノはほとんど弾いたことがないので、これからすこしづつ弾いて、自分なりの イメージをつくってみたいですね。

●2004年9月 フップフェルト

昨日、知り合いの方の先生のリサイタルを聴きにいってきました。 都内にある昔からのスタインウエイ代理店のショウルームにあるサロンで行なわれたコンサートです。 プログラムは結構渋いものでしたが、僕の好きな曲がならんでいたので楽しく聴かせてもらいました。
さてさて、ここのお店のショウルームはスタインウエイの代理店ということで、ほとんどスタインウエイが 置いてあるのですが、1台だけフップフェルトというドイツのピアノが置いてありました。
フップフェルトは1800年代後半に創立されたドイツ・ライプツィヒのメーカーです。 日本ではあまりメジャーではないせいか、見かけることは今回がはじめてでした。 コンサートまであまり時間がなかったので、少ししか弾けませんでしたが、 ドイツのピアノということをはっきり意識させる美しい音色でした。 ザイラーとかと共通点があるかもしれません。
値段を尋ねると200万円くらいということで スタインウエイやベヒシュタインなどに比べるとかなり安いです。 また国産のピアノに比べても既にほとんど変わらない値段です。 そう考えるととってもお買い得なピアノだな〜と思いました。
こういったすばらしいピアノがポロっとあるところがドイツの懐の深さを感じさせます。

●2004年9月 アトラスピアノ

昨日、一昨日と広島の歯医者に診察にいって、僕の先生の知り合いの方(Kさん)のさらに知り合いの方の 家でお昼ご飯をごちそうになりました。
ピアノがあるんだ、ということで見せていただいたら、なんと今は生産をやめてしまったアトラスピアノだったのです。 アトラスピアノと出会ったのは初めてだったので、思わず「アトラスだ!」なんて声をだしてしまいました(^^)
すでに30年たっているということでしたが、猫足のとても美しいシルエットでした。 アトラスピアノは1960年に西村武という方が生産をはじめた日本のピアノです。 少し鳴らさせていただきましたが、アップライトとは思えない豊かな音量が鳴るピアノでした。 そしてメロディーラインを弾く中高音もしっかりと低音にまけず主張してきます。 30年たっていますが、たしかにこのピアノは生きている!と思えました。
国産のピアノもこんなに良いピアノがあるだということを再認識した1台でした。

●2004年8月 ルーテル市ヶ谷のスタインウエイ

8月6日にアマチュアサックス奏者の発表会でヴァイオリンと一緒にルーテル市ヶ谷というホール(教会)で 演奏してきました。この会場のピアノはベーゼンドルファーということを聞いていたのですが、 スタインウエイもあったらしく、この日はスタインウエイでした。(楽器庫をみたらベーゼンもありました)
このスタインウエイは製造番号が50万台のC型。いわゆるセミコンですね。 200人くらいの会場なので、フルコンを置くよりもバランスが良いと思いました。

さてさて本日のスタインウエイ(^^)。
最初の印象はスタインウエイっぽい派手さがなく、とってもやわらかい音色だな〜というものでした。 なんというか、上等な布にくるまれているような、そんな感じです。
よく調べなかったのですが、おそらくハンブルグ製のスタインウエイなんだろうなと思いました。 柔らかい音色なので、少々変な弾き方になっても不快な音がでません。
なので緊張して弾く本番のピアノがこういうタイプだととっても助かりますね。

peto

●2004年7月 自由学園「明日館」のハンマースピネット

きょうは、池袋にある重要文化財「自由学園 明日館」というところへ行ってみました。 ここは大正10年に羽仁もと子さんとその夫、吉一さんとで創立された女学校である「自由学園」の校舎でした。 ちなみにこの建物はフランク・ロイド・ライトによって設計されています。ライトは帝国ホテルなどを手がけた 有名な建築家ですね。
翼を広げたような建物はとってもすっきりしていて気持ちが良い雰囲気をかもし出していました。

peto さてさて、この建物を中2階の部分を歩いていると、不思議な楽器のようなものを発見しました。 チェンバロかピアノのような形をしているので近づいていってみてみると、鍵盤はピアノのように白黒です。 ただ、ポロポロとならしてみるとチェンバロのような音がするのです。
エンブレムのところをみてみるとハンマースピネット、ニールセンを書いてあります。
ハンマースピネット??初めて聞く名前です。カバーがかけられていたので、どういった発音機構をもっている かはわかりませんでしたが、ものすごい浅い鍵盤を押すと引っ掻くのような引っ掛かりがあったので、 おそらくチェンバロと同じような機構をもっているのではないかと推察されました。でもハンマーってかいてあるから もしかしたらちょっと違うのかもしれません。音自体は軽やかですごく小さな音でした。どなたかハンマースピネットに 関する情報をお持ちの方いらっしゃいますか??
それはともかく大正時代に女学生が弾いたのでしょうか。しばし古い過去に思いを馳せたひとときでした。

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●2004年6月 国産、プルツナーピアノ

一昨日、個人のお宅のプライベートなコンサートで弾いてきました。 ピアノは国産のプルツナーピアノという楽器でした。
国産で、ヤマハ、カワイ以外で出会うのは珍しい出来事でした。 プルツナーは浜松の大洋楽器という会社が製造していたブランドです。 残念ながら、現在は廃業してしまい製造はされていません。

プルツナーは内部の主要な部分はヤマハのものを使用していたとのことで、 音色は基本的にはヤマハのものでした。しかし、高音部は音量を出そうと 工夫がなされているような気がしたのは僕だけでしょうか。
ヤマハよりも高音部は音量があり、弾いていてもこの音域を出すのに、 苦労はしなかったのですが、音色も少々変わってしまい、その点が 残念でした。プルツナーで一番魅力的だったのは、なんといっても 外装の仕上げの美しさです。猫足、そしてワインッドのシルエットは 本当に美しいものでした。
こういったことは、楽器の本来の性能とは関係ありませんが、体の大きいピアノは家のなかでも 存在感があるので、家庭に設置する時には意外と重要です。 国産にもさまざまなメーカーがあるので、機会をつくっていろいろ弾いてみたいな〜と 思わせてくれるピアノでした。

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●2004年6月 杉並区、かん芸館のプレイエル

先日の土曜日、ネットで知り合った方に声をかけていただいたオフ会に 参加してきました。このオフ会はピアノ好きの方が集まって演奏して、 お互いに聴きあうというものです。本当は演奏する予定だったのですが、手の具合があまり よくなかったので、練習時間に少し弾かせていただいてコンサートは 出演しませんでした。

会場のピアノはプレイエル!
プレイエルといえばショパンという風に連想するほど、 ショパンが生きていた頃にはかかわりあいが深いピアノです。 なので、今回のオフ会でもショパンが多かったような気がしました。 僕は練習時間に5分だけ触らせていただいたのですが、プレイエルの魅力を 堪能させていただきました。

プレイエルを弾くといつも思うのですが、なにか良い香りがするような音がします。 また今回、特に思ったのは、音の混ざり具合についてでした。 分散和音を弾くと、音と音がブワーとレガートでつながりやすいのです。 変なたとえですが、水墨画で微妙に濃淡がまざっているような感じです。 ベヒシュタインだと、音の立ち上がりがそれぞれはっきりしているので、 こういったふんわり感はあまり出ません。
プレイエルの場合、やわらかい曲はとってもあいますが、 逆に骨太のかっちりした曲はあまりあわないかもしれません。
今回幹事の方が撮影してくださった写真をUPしてみました(tokizawaさま、ありがとうございます!)。
演奏していた皆さんも、とてもピアノが好きだという気持ちが伝わってくる 演奏ばかりでとても楽しい会でした。

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●2004年5月 Kさんの1935年製スタインウエイ

peto 4日に台東区にお住まいのKさんのお宅にお邪魔してきました。
Kさんとはホームページを通して,僕のベヒシュタインを弾きにいらしたことが きっかけで知り合いました。当初からグランドピアノをお探しだったのですが, 今回なんと1935年製のスタインウエイM型を購入されたのです。う〜んうらやましい!
僕は図々しくも弾かせてもらいました。

まずお伺いすると、ピアノ以前にピアノが設置されているお部屋にびっくり! なんと20畳ほどの部屋の床が大理石張りなのです。 そして部屋の中ほどにスタインウエイが堂々たる姿でその存在を主張しています。 なんと壮観な景色なのでしょうか(お部屋の全体的な写真をおみせできないのが 残念です・・・)
peto 僕は思わず「すごい」とつぶやきながら,早速スタインウエイの前に座って 弾かせていただきました。このピアノはKさんがお店に選定にいかれたときも 少し弾かせていただいたピアノで,その時もすばらしい楽器だという 印象でしたが,今回は再確認となりました。

一番印象的なことは,そのダイナミックレンジの広さです。 フォルテを弾こうと思うとこれでもかっていうくらい音が 出てきます。
ただそのダイナミックレンジの広さを駆使するには かなり繊細なタッチが要求されるかもしれません。あまりフォルテを追求すると 暴走してしまいそうが気がしました。僕もしばらく 弾かせていただきましたが,最後までピアノに受け入れられていないな, という気がしました。すごいピアニストはこういったことを 毎日なんなくこなしているかと思うと「やっぱりすごいことだな」と思います。

peto また,Kさんのピアノの印象的だったのは,次高音という ピアノが苦手とする音域が素直に音がでてきて,たっぷりした低音に まったく負けないことがありました。これなんかはやっぱりスタインウエイだな, という気がします。
peto スタインウエイの1930年代のものは例外なくすばらしい,ということを なにかの本で読んだことがあります。Kさんのピアノはまさにスタインウエイ黄金時代の 1品ではなかったかと思います。

話はそれますが、Kさんのご主人は都内のフレンチレストランに勤務しているシェフなのです。 この日はたまたまいらっしゃって、プロの料理をいただけるという幸運もありました。 スタインウエイを弾いたりながめながら、おいしいフランス料理をいただいて、 「なんて贅沢なんだろう」としばし竜宮城にいるような気になりました(笑)。 Kさん本当にありがとうございます!

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●2004年4月 リストが所有していたチッカリングによる演奏のCD

昨日近所の図書館にいったら、リストが生前に所有していたアメリカのピアノ、チッカリングでの 録音のCDが置いてあったので、借りてきました。曲はもちろんリストオンリーです。
輸入・発売元はキングインターナショナルで「リスト愛用のピアノによるリスト作品集」というCDです。 チッカリングは以前に楽器フェアで自動演奏用の楽器(下の写真です)を見かけたことがありましたが、 自動演奏でないピアノにはいつかお目にかかりたいな〜とおもっていたところだったので 、CDとはいえ思わず手がのびました(^^)。

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チッカリングは19世紀中盤は一流のメーカーとして君臨していたのは皆様ご存知だと思います。 なんといってもチッカリングを有名にしたのは、現代のピアノを決定づけたといってもよい、 鉄のフレームの特許をとっていることです。
1867年にはパリの世界博覧会で金メダルもとっています。 この金メダルをとったピアノもリストに献呈され、今はリスト・アカデミーの院長室にあるようです。

この録音でつかわれたピアノはチッカリングが1870年代にリストへ献呈した2台目のピアノです。 当時、ハンガリー王立音楽院のホールに置いて、リストが演奏会で使っていたようです。
鍵盤は現代のものよりも短いそうです。また3本ペダルの中央のものは、高音部だけダンパーを あげるもので、高音域の音量改善のために使用されたそうです。

現代のピアノは完成されたものといわれていますが、当時はまさに発展途上の楽器だったのですね。 録音なのでなんとも言えませんが、音はとてもやわらなく、弦がはじかれていることを 強く感じさせる音です。減衰が現代のものよりも多少早いので、フォルテピアノと 現代のピアノの中間のような印象を受けました。

リストはベヒシュタインやベーゼンドルファー、スタインウエイからも献呈されています。 いったい何台のピアノをもっていたのでしょうね。

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●2004年3月 日本ベーゼンドルファー主催のピアノセミナー1

今日、日本ベーゼンドルファーが主催するピアノセミナーというイベントに参加してきました。
これは全3回でピアノの構造や、ベーゼンドルファーピアノ自体の説明などを技術者の視点から 説明してくれるものです。技術者の方のお話は演奏者が聞いてもいろいろと勉強になることが 多いです。今回は午前中がセミナー1、午後にセミナー2ということでしたが、 それぞれ2時間半くらいかかるので、1だけの参加にしました。

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お話の最初はピアノの発達についてでした。ピアノの歴史は音量を増大させる努力の歴史といっても 過言ではないでしょう。今回は録音でしたが、モーツァルトが使っていたピアノと1825年に作られた グラーフのピアノ、そして現代のベーゼンドルファーでの録音を聴き較べさせてくれました。
聴きくらべてみると、その音色の違いは本当に同じ「ピアノ」というくくり方でよいのだろうかと 思われるほど違いました。モーツァルト時代のチェンバロを思わせるような渋い響き、グラーフの 主に中低音が柔らかい独特の響き、そして聴き慣れた現代のピアノ。どれも三者三様でした。

次にピアノの音の特性のお話でした。面白かったのでは、ピアノ独特の音を作っているのは、 ハンマーが弦をうつ時に発生する打撃音だということを実験的に説明してくれたことです。 弦をミュートして打鍵すると「バシッ」とした、ある意味雑音のような音がしますが、これが ないとピアノの音という特性がでないということでした。その証明として、今度は弦を指ではじいて、 この打鍵時の雑音を除くと、ハープやギターのような音がするものでした。雑音が音を形作るなんて なんか不思議ですね。

またピアノ弾きとして面白かったお話しとして、「ピアノは自然になってくれる」という ことがありました。ある音量をだすのにどれくらいの力が必要なのかということを、 ハンマーの部分の部品を上から弦に直接落とすという方法で視覚的にもわかりやすく 説明してくれました。
それをみると、30cmほどの高さから落としただけで、かなり 大きな音量が鳴っています。言い換えれば、30cm程の高さから落ちるスピードをハンマーが作れるくらいの力で 鍵盤を打鍵すればかなりの音量が鳴るということです。フォルテを出すためにはそんなに力を鍵盤に加えなくても いいのだな〜とそれをみて思いました。逆に大きな音を出そうと必要以上な力を鍵盤にくわえる と、ピアノは良い音を鳴らしてくれないのでしょう。講師の方はそれを「ピアノが叫んでいる」という表現をしていました。 なるほど、叫ばせるのはピアノがかわいそうですね。

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それから、今回は日本ベーゼンドルファーが主催しているということで、ベーゼンドルファーの 独特の作り方などのお話しがありました。
一番印象的だったのは、ベーゼンは楽器の箱全体を鳴らすために、ボディや支柱にまで響板と 同じスプルースという木材をつかっているということでした。 ボディが鳴っているということを、オルゴールをボディにつけて、オルゴールの 音が増幅されることによって証明していました。これが本当に驚くほど音が大きくなるのです!
こういったことが、ウインナートーンといわれるベーゼンの音をつくっていくんだな〜と感心しました。

今回のこういったセミナーはある程度定期的に開催されているようなので、ご興味のある方はいかがですか??
なんと料金は無料なのです!

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●2004年2月 横浜イギリス館のヤマハ

先日行なった横浜のイギリス館のコンサートでヤマハのSを弾いてきました。 最近はヤマハのグランドを弾く機会が少なかったです。
なので久しぶりのヤマハを楽しみにしていました(^^)。
さて今回はSシリーズということでヤマハのラインナップの中では 上級シリーズになっていると思います。

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弾いた感じは、音の減衰は少し早くて響きが豊というわけでは ありませんが,音の粒ぞろいや発音の明瞭さという意味では さすがだな〜と思いました。
ただ,このピアノはまだ購入されてから日が浅いらしく, 楽器全体が自然に鳴っているというところまでは きていませんでした。しばらく弾きこまれて 鳴ってくるときっと良い楽器になるだろうと 期待させるものでした。来年も同じ場所で コンサートをする予定なので,楽しみです(^^)。

実はこの会場はほぼ10年くらい毎年使っているのですが、 以前はヤマハのG5(たしか・・)が入っていました。 このピアノがすばらしかった。おそらく古くなったからという ことで昨年あたり変えたのだと思いますが、 今のS型より以前の方がよかったというのが正直な感想です。
今回弾いて、古くなったとしても良いピアノであれば使い続けて欲しいなという 気持ちにちょっぴりなりました。

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●2004年2月 サントリーホールのスタインウエイ

2月12日にロン・ティボー国際コンクール60周年グランドガラ・コンサートというライブを 聴きにいきました。
場所はサントリーホール。本当に久しぶりでした。僕の趣味の問題もあるんですが、あんまり 大きなホールでのコンサートは最近いっていなかったのです。

久しぶりに2000人規模のホールに行くと、やはり風格があるというか、この場所で演奏する人は 特別なんだな〜という気がします。
今回のプログラムの注目はピアノという視点からみると、後半のラフマニノフのソナタ2番、そしてショパンの コンチェルト1番です。

ピアノはスタインウエイのフルコン。

今回はスタインウエイの凄さを実感しました。 僕が聴いていたのは2階席の後ろの方で、ステージからはかなり後ろになるのですが、 スタインウエイは距離感をまったく感じさせない響きをだしていました。
まさに発音してから、ほとんど目の前で音が鳴っている感じです。
サントリーホールのような響きの良い大きなホールはスタインウエイの腕のみせどころって感じですね。 こんな大きな空間を満たしてしまうピアノに感激しました。もちろんそれを操るピアニストにも!

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●2004年1月 「ピアノの魅力を考える〜異なる時代、異なるピアノ〜」に参加して

1月18日(日)にベヒシュタインの日本総代理店であるユーロピアノのショウルームで 「ピアノの魅力を考える〜異なる時代、異なるピアノ〜」という素敵なイベントがあったので参加してきました。
ベヒシュタインは最近、基本的な部分まで設計を見直してモデルチェンジしました。 まさにあらたなピアノに生まれ変わったという表現ができるほどの変化です。 そこで、どう変わったのかを知らせていこうというのが、今回のイベントの目的だと 思われます。まさに「百聞は一聴(見?)にしかず」といったところでしょうか(笑)。

今回の使用楽器はベヒシュタインの従来の設計で作られた1971年製のL型(奥行き163cm)と設計変更された後の 2003年製M/P型(奥行192cm)です。これらを聴き比べるというのです。
さてさて、前半はユーロピアノの社員でドイツのピアノマイスターの資格も持つ、加藤正人さんのお話、 後半はピアニストの住友郁治のお話と演奏でした。 今回の設計変更で変わった部分はいろいろとあるようですが、私のような素人が一番分かりやすいのは、 今まで弦を止めるのに採用していた総アグラフをやめ、他のピアノメーカーと同様にカポダストロバーを 採用したことです。ベヒシュタインは総アグラフにすることによって弾いている音以外の弦が共鳴することを防ぎ、 そのことによって高音部に独特の透明感をだしていました。 それがベヒシュタインらしさと言われていたのですが、逆に力強さは少なかったかもしれません。 今回カポダストロバーにすることによって力強さを追求したのでしょうか。 実際、弾いてもらうと1971年製のものが素朴な木の音を基調としているのに対して、 2003年製のものはあきらかに音に艶っぽさが加わっています。この艶っぽく、少しヴィブラートがかった ような音色は今までのベヒシュタインにはなかったもののような気がします。 ピアニストの住友さんは超ド迫力の演奏でNEWベヒシュタインを鳴らしていたので、 さらにピアノの力強さを堪能できました。

今までベヒシュタインというと好き嫌いがはっきりと分かれるピアノだったと思います。 今回の設計変更によって、より広い人に受け入れられやすい懐が深いピアノになったのではないでしょうか。 一方で従来のベヒシュタインの音色が好きだった人にとっては少しスタンスが変わったな、という印象を 持つかもしれません。ただ、ピアノも時代とともに変わっていかざる得ない部分があり、現代のように 広い会場で弾かれるためには力強い部分ももたなくてはいけないのかもしれませんね。
まぁどちらのベヒシュタインが良いかというのは、このような楽器の場合、もう好き嫌いの問題になるので 弾き手によって判断されるべきものでしょう。イベントが終わった後にショウルームにあった1890年代と 1925年のベヒシュタインを弾いてみると、時代によってかなり変わってきているんだな〜ということが さらに実感できました。

話はそれますが、今回弾いてくださったピアニストの住友さんのお話で印象的な言葉がありました。 それは自分の家にはどんなピアノを置くかというお話です。住友さんのお話では、自分の家にはなるべくデリケートな ピアノを置くべきだということでした。デリケートというのは弱いという意味ではなくて、ピアノの反応がよく、 自分に対して応えてくれるピアノ、そしてイメージを一緒につくっていけるピアノという意味だそうです。
このお話は非常に共感を覚えました。ピアニストは宿命的な問題として、本番は会場にあるピアノを弾かなくてはいけません。 なので家にあるピアノはそんなにいいピアノでなくてもいいじゃん、と私もよく言われます。しかし、 住友さんもおっしゃっていましたが、反応のよくないピアノで練習していて、いきなり本番でスタインウエイのフルコンとか 弾けといわれても、まったく弾けないでお手上げになってしまうでしょう。なにせ自分の思っている音と全然違うものが でてきてしまうのですから、おっかなくて弾けません。反応の良いピアノを家に置けなくても、普段からスタジオやお店に 足を運んで良いピアノに触れる機会を得ることはピアノ弾きにとってとっても大切な気がします。 ちなみに住友さんはベーゼンドルファーのインペリアルを愛用されているそうです。うらやましいですね(^^)

話が脱線してしまいました。ともかく同じメーカーでも時代によってコンセプトが違ってきているということを 教えて頂いた今回のイベントは僕によって有意義なものでした。NEWベヒシュタインは芳醇さが加わったことによって 日本のホールにも、もっと設置されるようになるのではないでしょうか。

ユーロピアノのショウルームには他にもたくさんのベヒシュタインやプレイエル、ザウター、珍しいところではガヴォーなんかも 置いてあって、イベントの後はみんなで弾き放題!
楽しい日曜日となりました。

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●2003年11月 国立楽器、スタインウエイ試弾フェア

先日行った東京の国立市にある国立楽器でスタインウエイを何台か並べて試弾が できるという、すばらしい催しがあったので行ってきました。

今回あったのはスタインウエイのB型(奥行211cm)、A型(188cm)、O型(180cm)、そして M型(170cm)でした。また、その他にベーゼンドルファーのインペリアル(290cm)とベヒシュタインのアップライトが 置いてあって、ものすごい豪華な風景でした。
そして店員さんにお願いして1時間半くらいかけて、全部弾かせてもらいました(^^)。

まずベーゼンドルファーのインペリアル。これは例の88鍵の下にさらに黒塗りした鍵盤があり、全部で97鍵あるというピアノです。 このピアノは1997(8だったかな?)年製のものですが、なんと以前のオーナーは個人でこれを所有していたそうです。 いったいどんなご自宅だったのでしょう。店員の方の説明だと30畳くらいの部屋においてあったそうですが、たしかに それくらいの広さがないと置けないですよね。
さて弾いてみての感想ですが、なんとも感動的な響きでした。大きなピアノですが、本当に小さいピアニッシモから フォルテッシモまで、ほとんど無限に近い段階でコントロール可能な感じでした(あくまでコントロールできればですが(笑))。 そして音色はしっとりとやわらかく、そして響き合うものです。

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今回はピアノの造りもゆっくり見させていただきました。 ベーゼンドルファーのボディーは無垢の板を切れ目をいれて曲げていくんだそうです。他のメーカーは何枚かの板を重ねて、 プレスして曲げているそうです。
無垢材のためか、ボディーの厚さは非常に薄く、弦の圧力を支えるために裏の支柱はかなり堅牢に組まれていました。 鉄骨も私の個人的な意見としては他のメーカーよりも華奢な感じを受けました。よくベーゼンドルファーは箱全体を 鳴らすようにしてあるとのことですが、弾いてみての感じではまさにそんな印象を受けました。
このピアノは中古(ピアノにはあまり適切な表現ではないですが)ということで、かなり安い値段が設定されていました。 もしもこういった大きなピアノを置ける方がいらっしゃれば、ものすごいお買い得なピアノだと思います(^^)

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さて、次にスタインウエイです。B型のものから弾かせていただきました。 今回B型は3台も置いてありました。B型だけで弾きくらべができるなんて幸せです。 ベーゼンドルファーを弾いたあとだったので、メーカーの個性がさらに実感できました。 ベーゼンドルファーは打鍵した後、音が立ち上がってくるまでにほんの少しの間を感じさせますが、 スタインウエイは打鍵した瞬間にポーンと遠くまで音を飛ばせて行く感じがします。 B型はかなり奥行きがあるせいか、音の保持が良く、なかなか減衰しません。メロディーラインが 楽につながっていく感じはピアニストを助けてくれるでしょう。さすが、スタインウエイという感じです。 また裏面を見させていただくと楽器全体を鳴らすための工夫であるサウンドベル(たしかこういう名前だったと思います) が付いていました。 これを見たのは今回初めてです(^^)。

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次はA型、O型、M型と弾いていきました。店員さんも、スタインウエイらしさを感じさせるのは B型ではないかとおっしゃていましたが、私も同様の感想を持ちました。B型とA型の間にはかなりの 楽器の性能の違いを感じさせました。とはいっても、B型を弾いた後でなければこれらの楽器も すばらしい印象をもつでしょう。それぐらいやはり完成度は高いです。 M型の仕上げはとても美しいものでした。家に置くことを考えると、仕上げも重要な要素ですよね。 なんといってもピアノは大きいものですから。

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最後にベヒシュタインのアップライトを弾かせてもらいました。アップライトですがベーゼンドルファー、 スタインウエイを弾いてくると、ベヒシュタインの個性が確実に刻み込まれたものでした。 なんといっても音の立ち上がりの良さと分離感の良さ。そして音の勢いは国産のグランドに較べても まったく遜色がないものでした。値段もほぼ国産のグランド並みなので、グランドピアノにしようかな と思っている方には検討してみる価値があるでしょう。実際私が弾いたアップライトも 某国産グランドピアノを買いにいらした方が、予定変更して購入されたそうです。

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今回も1時間半ぐらい夢のような時間が過ぎていきました。本当に良い楽器は心の内側をあったかくしてくれます。 国立楽器さんでは親切に説明をしてだいき、また長い時間弾かせていただいて本当に感謝しております。 良い楽器は、こういった弾き手を考えてくれるお店で購入すべきでしょう。

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●2003年11月 私の先生のスタインウエイ

演奏日誌の方でも書きましたが、先日久しぶりにレッスンに行ってきました。
私の先生の家にあるピアノはスタインウエイのグランドO型(奥行き180cm)です。 製造番号からすると1960年代後半でしょうか。ハンブルグにものです。

さすがにプロの人が自宅で使っているものなので、調整も頻繁にしているようで かなり状態が良いです。私は家でベヒシュタインを使っているので、先日のレッスンの時に このスタインウエイを弾いた時、やはりメーカーの個性はあるな〜ということをあらためて実感しました。 ベヒシュタインの響きは打鍵すると音の立ち上がりがハッキリとそして速いです。響きもカラッと 上にくっついいる感じですが、先生のスタインウエイはそんなに音の立ち上がりは速くはなく、 響きは音の芯の上と下にやわらかくあるという感じです。弾いていてとっても心地よく、 なんかうまくなったような気がします。ただ、両方のピアノに共通していえるのは タッチに非常に敏感です。ちょっとバランスをくずして打鍵すると、それが見事に 音に反応してしまいます。逆にいえば、それだけ良いピアノなのかもしれませんね。

私の先生は以前はヤマハのC3を使っていました。これもすばらしく反応の良いピアノでした。 おそらく調律師さんが非常に優秀な方なのでしょう。また、先生が毎日弾くことによって 反応の良さと音色のヴァリエーションをピアノが反応するように弾きこんでいったんだと思います。 ピアノは弾き手によってどんどん変化していくんでしょうね。
そういった意味では、私みたいなそこまでピアノに要求できるようなテクニックを持ち合わせて いない人は、もしかしたら上手な方が長年弾きこんだピアノを購入するのがよいのかなってあらためて 思いました。

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●2003年11月 国立楽器

今回は東京の西にある楽器店、国立楽器にいってきました。こちらでは 輸入ピアノも常時扱っていて、ショウルームも広く、とても気持ちのよいお店でした。

私が訪れたときは、ツィンマーマンとザウターのアップライトピアノの新品が1台づつ、 ベヒシュタインのグランドピアノK型の中古(1980年代製)ものが1台おいてありました。
ツィンマーマンのアップライトは、以前ベヒシュタイン150周年記念イベント時に聴いたことがあります。 その時のピアノはとてもすばらしいものがありました。今回も音の太さは感じられましたが、 多少やわらかくぎるきらいがあり、よく響く部屋におけば気持ちよく弾けますが、響きが少ない室内だと、 音を出そうと思って、すこし力が入ってしまうかなというのが印象でした。
ザウターのアップライトは音が発音する点がわかりやすく、音色もカラリと明るいもので非常に気持ちのよいピアノでした。

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そして、ベヒシュタインのK型。K型は奥行きが158cmと短く、いわゆるベビーグランドといわれるものです。 今回のものは、20年ほど展示用として置いてあり、その間ほとんど弾かれていなかったということで、音がよく出ない感じは ありました。しかし、音を切れ味や立ち上がりのよさは「やっぱりベヒシュタインはこうだよな」と思わせる ものがありました。しばらく弾かれていなかったということで、相場よりもかなりお安い値段でした。 もしもベヒシュタインをお探しな方がいらっしゃたら、超おすすめです(^^)

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●2003年10月 2003年楽器フェア

2003年の楽器フェアが横浜のパシフィコ横浜で10月23日(木)から26日(日)まで開催されました。
電子・アコースティックにはこだわらずいろんな楽器メーカー、販売店が出品しての盛大がイベントです。

当然さまざまなピアノも出品されていました。ヤマハやカワイはいわずともがな、 スタインウエイやベヒシュタイン、グロトリアン、エラールのアンティークもの、ザウター、ザイラーなどなど 普段なかなか見る機会がないものばかりで、しばし興奮状態になってしまいました。

そうそうチッカリングの自動演奏ピアノなんてものもありました。チッカリングは19世紀後半にスタインウエイと ものすごい熾烈が戦いを繰り広げたメーカーです。日本でみることはあまりできないでしょう。 また、スタインウエイもスクエアピアノという長方形に長く弦が鍵盤と垂直にはってあるピアノも展示されていました。 また開催されることもあると思いますので、興味のある方はチェックしてみてはどうでしょうか。

なお、今回の写せた写真なども含めて、近日中に詳細レポートをアップしますのでお楽しみに!

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●2003年10月 ベヒシュタイン創立150周年記念イベントに参加

10月22日にベヒシュタインピアノの輸入総代理店であるユーロピアノ株式会社が主催する
「C.BECHSTEIN 創立150周年記念事業 世紀を超えて 製作理念の秘密
 感動のピアノ ベヒシュタイン演奏と講演」というイベントに参加してきました。
内容は前半はベヒシュタイン本社から日本担当のF.シュルツェさんとピアノマイスターの W.アルブレヒトさんを招いてのベヒシュタイン社の説明とベヒシュタインピアノ響きの秘密についての講演。 後半はピアニスト,ルイ・レーリンクさんによるピアノ比較コンサートでした。

私は残念ながら,仕事の関係で前半の講演は聞くことができませんでした。ベヒシュタインを製作されている方々の 生の声を聞くことができるめったにない機会だったので,本当に残念でした。

後半のルイ・レーリンクさんのピアノ比較コンサートには間に合いました。今 回はベヒシュタインのグランドピアノ,おそらくA型(奥行き189cm)1台とC型(奥行き232cm)1台。 それから同じくベヒシュタインのアップライト(型番はわかりませんでした)1台。 ツィンマーマンのグランドピアノZ型(奥行き190cm)1台とアップライトピアノ1台(型番はわかりにません) の弾きくらべでした。ライフマニノフの「プレリュード」やショパンの「別れの曲」, ベートヴェンの「エリーゼのため」になどを弾いていました。

ベヒシュタインのA型はまだ新品とのことであまり音がこなれてなかったように思えます。 しかしこのタイプのピアノは本来,近くで聴くものだと思いますので,今回は会場が大きかったせいもあって, 少し音がやせてきこえたのかもしれません。
ベヒシュタインのアップライトは初めて聴きました。音の丸みなど音色自体はグランドピアノにはおよばないにしても, かなりパワーのあるピアノだな〜というのが感想です。自宅のリビングなどにおいて,家族がいるところで練習するには 家族のあたたか〜い,理解が必要になるかもしれません(^^)。
そして今回一番大きなピアノのC型のグランド。これは今回の会場で普段使われているものらしいのですが, すばらしかったです。弾き始めてすぐに,やっぱりベヒシュタインの響きはこれだなっていう感じでした。 少し甘い音色ですが,それぞれの音は芯はなくならず,かつ響き合い・・・言葉では難しいですね。

今回のコンサートで発見したのが,ツィンマーマンのアップライトのすばらしいさでした。音の太さといい, 音量といい,こんなポテンシャルをもったピアノだったのかと新しい発見でした。カタログをみると国産のピアノに比べて, べらぼうに高いわけではないので,新品のアップライトを買うのでしたら,ツィンマーマンのアップライトは検討に値すると思います (ベヒシュタインのアップライトはすばらしいのですが,なにせ高いです(泣))。最後のピアノはツィンマーマンのグランドピアノ。 これもあたたかみのある良いピアノでしたが,やはりベヒシュタインのC型を聴いたあとだったので,好みの問題もありますが, 私的にはベヒシュタインの方がいいな〜というのが正直な感想です。

今回の最後の曲はベヒシュタインC型で「赤とんぼ」。ルイ・レーリンクさんはとってもロマンティックに美しい音を つむぎ出していて,しばしききほれました。月曜日なのに仕事から完全に解放させてくれたすばらしい演奏でした。

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●2003年10月 イタリアの名器<ファツィオーリ>と炎のピアニスト、アルド・チッコリーニ

今回は私自身は弾けなかったのですが、初めて聴く機会に恵まれた<ファツィオーリ>とこのピアノを愛用している アルド・チッコリーニさんのリサイタルについての感想文です。

10月12日に墨田区のすみだトリフォニーホールにてアルド・チッコリーニさんのピアノリサイタルに 行って来ました。今回はイタリアのピアノメーカーが製作している<ファツィオーリ>を使用してのコンサートであり、 コンサート前には<ファツィオーリ>によるオフィシャル・プレゼンテーションなるもの もありました。プレゼンテーションには今回のピアノを調律した調律師の狩野さんや音楽評論家である那須田さん、ピアニストの門さん、 そしてなんと<ファツィオーリ>の社長であるパオロ・ファツィオーリさんがパネリストとして出席していました。 1時間ほどのプレゼンでしたが、とても興味深いものでした。

私の中では、特に那須田さんの「1960年くらいからピアノの没個性化が進んでいるような気がするがそれがとても残念だ。社長は その点についてどう思われるか?」との質問に対してのパオロさんの答えが印象的でした。
いわく「私もその点は感じている。しかし<ファツィオーリ>は一台一台に楽器としての個性を与えている。あたかも ヴァイオリン製作者がヴァイオリンをつくるように。そしてピアニストが選べるように」 (若干言い方は違いますがこんな要旨だったと思います)
<ファツィオーリ>を聴くのは今回が初めてだったのですが、パオロさんが言っていた<個性>はたしかに 感じられました。言葉でいうのは難しいですが、明るさの中に重厚な伝統が息づくという感じですか(ちょっとキザですね)。
具体的には中音域から低音域はその透明感と少し甘い音色が私の愛器、ベヒシュタインと似ているような気がします。 ただ、高音域はどちらかというとスタインウエイ的なきらびやかさがありました。でもきらびやかさという点では スタインウエイよりも上かもしれません。中音域から高音域への移行もスムーズにコントロールされている感想をもちました。 正直これほどすばらしい楽器とは思わなかったというのが感想です。

さて、次にこの<ファツィオーリ>を操るアルド・チッコリーニさんの演奏です。これがまたすばらしいの一言。 彼は1925年生まれですから今年で78歳になります。まさに巨匠の演奏でした。 前半はドビュッシーの第2前奏曲集、後半はショパンの作品62のノクターン2曲とソナタ3番でした。 前半のドビュッシーの色彩豊かな演奏にもビックリしましたが、後半のショパンが圧巻でした。 この曲はショパンにしては対位法的な処理が多いような気がします。チッコリーニさんは テンポを少し抑え目にして決して弾き散らさず、たんたんとこの声部を弾きわけ全体を まさに大聖堂の大伽藍のように構築していきます。そして彼の出すフォルテといったら! それを聴いただけで鳥肌がたつくらいです。

ソナタでは1楽章では第1主題を決然と弾き、第2主題は限りなく甘くそのコントラストがすばらしい。 第2楽章はレジェッロですが、なんとあの速い楽章をほとんどスタッカートで弾いてしまいました。 第3楽章は予想に反して、すこしはやめのテンポ。しかしこのコラールのような楽章では 音色を自在にあやつり彫の深い演奏を聴かせてくれました。 そしてファイナルの4楽章。最初すこしテンポを抑えて弾き始め、途中から少しテンポが あがり、フォルテッシモの中、押し切られてしまいました。
しかもアンコールではサティのジムノペディのほかにグラナドスとファリャというスペインものを 2曲も弾き、まだまだスタミナがあるという感じですから、まさに超人ですね。 演奏が終わった後、観客はスタンディングで彼を賛美していました。本当にすばらしかった。 チッコリーニさんはどちらかというと指の力も強く、重みも十分にのせてはっきりした 音を出すピアニストだと思います。ギレリスとかが意外と近いタイプではと勝手に思いました。 そして、あれだけ強いタッチをしっかり受け止めることができるのは<ファツィオーリ>が最適なのかもしれません。 ピアニストとピアノの幸せな結婚の一例を堪能できた一夜でした。

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●2003年9月 スタインウエイ Historical Grand、O−180(千代田区)

日比谷近くにある古くからのスタインウエイ代理店のショールームにいってみました。 写真はとらせてくれたのですが、ホームページに掲載することは了解いただけなかったので ご紹介できないのが残念です。

今回弾いてみたかったのは、スタインウエイ社が創立150周年を迎えるにあたり復刻した、 あのパデレフスキが1891年から92年の全米ツアーで弾いたモデルです。 これはヒストリカルと呼ばれる、限定150台の生産だそうです。そのローズウッド仕上げの 佇まいはとても美しいものでした。譜面台はスタインウエイの象徴であるライラを中心にすえた 透かし彫りのもので、響板には各国王室の紋章が配されています。脚部には縦溝彫りが施されて 優雅さを醸し出しています。

肝心の音はどうかというと、しっとりとした中に力強さもあるものでした。 ただ、最近のスタインウエイには以前に比べると、少し輝かしさが欠けているのではないかな、 と思ってしまいました。とはいえ弾いているとさすが!とうならせるポテンシャルを感じさせます。 このヒストリカルモデルは奥行きが211cmあり、一緒に展示してあったO型、奥行き180cmに 比べるとやはり音の力強さが違ったように思えました。

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●2003年8月 ピアノプラザ郡山(店長の了解をいただけましたので写真も掲載します)

今回は郡山にあります、ピアノ専門店ピアノプラザ郡山にいってきました。 なんといってもここにはいろんな種類のピアノがおいてあります ザイラー、ザウター、プレイエル、ディアパソン、ベーゼンドルファー、 ベヒシュタインなどなど。これだけのピアノが一つのお店に そろっているのというのはものすごい感動的は景色でした。 しかもベヒシュタインはモデルチェンジしたフルコンサートモデルの D型がありました。 これはベヒシュタインの特色である総アグラフをやめてカポダストロバーを採用したモデルです (しかもアリコートブリッジつき)。

日本の名器といわれるディアパソンも3台ほどグランドピアノがおいてあり、 あたたかみのある音はとても美しいものがありました。

今回一番きにいったのはチェコの楽器のペトロフです。はじめて弾く機会となったのですが、 暖かみあり、かつとても伸びやかな音は 強烈な印象を受けました。すばらしい楽器です。

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●チェコの名器、ペトロフです

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●他ではあまり見ることのできないザイラー

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●ベーゼンドルファーはさすがでした

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●2003年7月 スタインウェイ&サンズ UP V型 125cm(年代わかりません。文京区)

スタインウェイのアップライトピアノは初体験でした。少し音をださせてもらっただけでしたが、調整の問題もあるかもしれませんが 残念ながらこのピアノは全然音が伸びないものでした。スタインウェイというとあのダイナミックな輝かしい音が魅力でが、 あまりかんじられなかったです・・・・(><)。

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●2003年6月 ベヒシュタイン GP K158 M180 A189 (新品 世田谷区)

ベヒシュタインの魅力が堪能できたという感じです。クリアーで勢いのある音は和音を弾いてもそれぞれがすごく聴きやすいのです。 K158はいわゆるベビーグランドといういわれる小型のものですが、その小さい体からしんじられないくらいのパワーがありました。

M180はとても輝かしい音がして思わすしびれました。これ欲しいって思わず思いましたが、600万円以上もしてとても 手が出るものではありません。トホホ。ベヒシュタインは最近、スタインウエイを意識したA型というのを造っているそうです。 これは高音域にアグラフというのを使わずスタインウエイのように共鳴させるという造りのようで、ヤマハなど他のメーカーも やっている方法だそうです(すいません詳しく書ければいいのですが、知識がなくて・・)。

弾いてみるとやっぱり違いました。華やかな雰囲気がかもしだされるその楽器は、僕としては長年弾きなれた楽器の延長線上にあって ある意味弾きやすいのですがベヒシュタインの魅力である透明感は損なわれているのかなっていう 感想をもちました。

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●2003年7月 プレイエル GP おそらく0型 (だいたい1990年代後半 製造番号から推定です。杉並区)

プレイエルといえばなんといってもショパンが愛したピアノというのが代名詞になってます。 ただ、昔とちがって今はたいして良くないなんて話もちらほら聞きます。 実際弾かせてもらうと、そんなことはなくて本当にすばらしい楽器でした。

和音を鳴らすといい香りがするようなそんな体験は初めてでした。 また、反応もすごく良くて少しタッチを変えると音もすぐに反応して変わってくれます。 ただ、個性が強い分だけ合う曲と合わない曲がはっきりしていそうです。 僕が弾いた感じでは、フランクやショパン、シューマン、フォーレなんかがベストマッチして ブラームスやベートヴェンの激しい曲は合わないような気がしました。 でもそういう曲も一度、聴いてみたいななんて思いました。

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●2003年5月 ベーゼンドルファー GP Modell 170,185,200 (新品、中野区)

ベーゼンドルファーは以前本番のホールで弾いたことがあって、その時はピアノに圧倒されてしまって ボロボロになってしまいました。(><) あれはたしかインペリアルだったと思います。

ヤマハ・カワイかスタインウェイしか弾いたことが正直いってなかったので、 なんか音がでなくて弾きにくい楽器だな〜というのが正直な感想でした。 ただ、今回少しゆっくり弾かせてもらったら印象がかわりました。 よくベーゼンは木がなっているのがわかると言われますが 本当にそれを実感しました。和音をやわらかく弾いた時のまざりぐあいといったら!感激でした。 ベートーヴェンを弾いたらまさにベストマッチでした。

へんなたとえですけどボルドーのヴィンテージ赤ワインはこんな印象をうけるんだろうな (実際は飲んだことないですけど)っていう繊細で心地よい音でした。 やっぱり大きなピアノになっていくに伴って力強さもくわわってすばらしかったです。 でも値段も絶句ものでした・・・

 

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●2003年4月 ベヒシュタイン GP(おそらくM型 1977年製 埼玉県志木市)

1977年というとまだベヒシュタインはアメリカ資本での経営だったと思います。 よく当時のものは昔のものと比べて今ひとつということを聞きます。 弾いた感じは中音域から高音域にかけての、やわらかくて太い音はやっぱりベヒシュタインだと思いました。 ただ低音はすこしぼやけてしまっていて残念でした。でもこれは調整の問題かなっていう気もします。 この場所はマンションにあるのですがすごくアートなマンションで部屋の中もきれいで一見の価値ありです。

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