As of September 21, 2000
Pax Britannica


 タイトルは「大英帝国の支配による平和」ってやつですな。プレイするのは1880年から1920年までの40年間で、1ターンは4年。この時期、ヨーロッパの「列強」と言われる国々が世界中に植民地を広げ、ついには第1次世界大戦に突入するまでをシミュレートします。Victory Gamesの制作で、4人〜7人までですが、7人がベスト。プレイ時間は、12時間くらいかなぁ。あんまりプレイしたことないもので。各プレイヤーは、以下の国をプレイします。

4人大英帝国10
フランス第3共和政7
ドイツ帝国
オーストリア・ハンガリー帝国
5
アメリカ合衆国4
5人大日本帝国3
6人ロシア帝国3
7人イタリア王国2

 プレイヤーが担当しない国は「中小国」として、半自動的に処理されます。上記以外にも、オランダ、ベルギー、スペイン、ポルトガルが、常に中小国として登場します。さらに清帝国とオスマントルコ帝国が「被征服国」として登場します。

 このゲームの目的は勝利ポイント (VP) で計算されますが、その大部分は、ずばりお金です。そしてお金は、マップ上にある104個所のエリアを植民地化することによって得られます。

 植民地化にはいくつかの段階があり、その段階によってそのエリアの「経済価値」の何倍の収入が得られるかが決まりますが、同時にその状態を維持するために「維持費」がかかるため、経済価値の低いエリアを占領しても、赤字になってしまいます。また「保護領」以上の状態を確立するには、原住民を武力制圧しなければならず、その状態を維持するには、軍隊を常駐させる必要があるのですが、軍隊も維持費が必要です (自治領/州を除く)。以下に簡単にまとめてみました。

状態収入維持費経済価値駐留軍軍の
維持費
123456789
利権1倍0123456789軍は置けない
影響下2倍5-3-1135791113
保護領4倍10-6-2261014182226必要必要
占領5倍20-15-10-50510152025
自治領/州5倍30-25-20-15-10-5051015不要

 したがって、10戦力以上の軍隊を常駐させるのであれば、占領より自治領/州の方が効率が良いことになります。ところで、自治領を作れるのは大英帝国だけ、州を作れるのはアメリカ合衆国だけです。しかも、どこにでも作れるというわけではなく、自治領はオーストラリア、カナダ、ケープ植民地 (現南アフリカ共和国)、ニュージーランド。州はアラスカ、キューバ、ハワイ、ポルトリコ (現プエルトリコ) にしか作れません。

 この表だけ見ると、「占領」状態には存在理由がないように見えますが、ゲーム終了時には2ターン分の収入が維持費なしでVPになるため、ゲームの終了が近づいてきたなら、当面の赤字を覚悟で支配レベルを上げることも、十分意味があります。また、複数の国家の権益が共存できる条件は、次の表の通り (実際はもっと複雑ですが、説明のため簡略化しました) のため、他国の権益を減らすという意味でも、支配レベルを上げる意味はありますが、これをやると紛争の原因になります (色の濃い部分)。

これから設置する権益既存の他国の権益
利権影響下保護領占領/自治領/州
利権設置可能設置不可
影響下設置可能設置不可
保護領設置可能保護領は設置可能
影響下は利権に降格
占領/自治領/州設置可能
既存権益消失

 毎ターン得られる収入から維持費を引いた残りは、軍隊を新たに生産したり、新しいエリアを植民地化したり、既存の植民地の状態レベルを上げたりするのに使われます。逆にいうと、これらの行動をするには、お金が必要なわけです。そのターンに使い切らなかったお金は、次のターンに持ち越せない代わり、すべてVPになります。

 とまあ、各国が見境なく植民地を広げていけば、当然やがて紛争が発生します。紛争が発生したら、解決のためにヨーロッパ会議が招集されますが、そこで解決しなければ、戦争になります。ただし、何でも力に頼れば良いというものではありません。ゲーム中に世界大戦が発生したら、直ちにゲームが終了し、世界大戦を引き起こしたプレイヤーは、大量のVPを失うことになるからです。

 このゲームの特徴的な点は、史実を忠実に再現しているため、まるでバランスが取れていない点です。ゲーム開始時点で、すでに大英帝国は巨大な版図を持っており、そのため巨額の収入があります。そこでVPを計算する際には、各国ごとに決められた一定の値 (一番上のテーブル参照) で割って修正するのですが、それでも大国はヨーロッパ会議でも発言力があるし、なによりいざ戦争になれば巨大な軍事力を動かせますので、弱小国を受け持つプレイヤーは、ある程度「おとな」でないと務まりません (笑)。

 そうでなくても、ルールが複雑で難しく、かつかなり時間がかかるゲームですから、それなりにマニアックなプレイヤーをそれなりの人数揃えなければならないため、実際にプレイするのはなかなかきついものがあるのが残念です。

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