− TRPGリプレイ −
 

  年末恒例年越しテーブルトーク大会・リプレイ

 まえがき         木介

  そもそも、なぜリプレイを書こうなどと考えたのかといいますと、私が
 シナリオ制作中にリプレイ集を読んだりしていたからでしょう。ただでさ
 え『バグプレイヤー』が私のまわりには多いのだから、市販されているリ
 プレイに負けないくらい面白いリプレイが書けるはずである。と、考えて、
 それを実行に移し、完成したリプレイは私の予想どおりに面白いものにな
 りました。
  さて、このリプレイですが、使用ゲームは『ソード・ワールドRPG』
 です。SWのリプレイ集は結構出ているんですよね。私がよく読むのはそ
 の類のものです。ですから、このリプレイの書き方は少し似通ったところ
 があるかもしれません。まあ、素人が書く文章なんてそんなもんです。
  では、こころゆくまで、この物語に登場する冒険者達の旅の記録をお楽
 しみください。

 キャラクター紹介
-------------------------------------------------------------------------------- 器用度 = 18(+3)  スティーヴ・シュワルツコフ
 敏捷度 = 19(+3)  ハーフエルフ 男
 知力  = 17(+2)  持ち金 1345 ガメル
 筋力  =  9(+1)  経験点  500 点
 生命力 = 10(+1) 抵抗力 = 2 冒険者レベル 1
 精神力 = 13(+2) 抵抗力 = 3 ファイター  1
       ソーサラー  1
 上位古代語/魔力 = 1/3
 武器 メイジ・スタッフ  攻撃=4 打撃=9 追加=2
 楯  なし   回避=4
 鎧  ソフト・レザー  防御=7 減少=1
 備考:このパーティ唯一のソーサラー。おそらく一番まともな人物であ
    る。NO.1の敏捷度を誇る。
    追記:プレイヤーは『ろんめる』である
-------------------------------------------------------------------------------- 器用度 = 16(+2)  ヨーヘム・パイパー
 敏捷度 = 18(+3)  ハーフエルフ 女
 知力  = 19(+3)  持ち金 1510 ガメル
 筋力 = 11(+1)  経験点  500 点
 生命力 = 14(+2) 抵抗力 = 3 冒険者レベル 1
 精神力 =  9(+1) 抵抗力 = 2 シャーマン  1
       セージ    1
       ファイター  1
 精霊語/魔力 = 1/4
 武器 ロング・スピア   攻撃=3 打撃=3 追加=2
 楯  なし        回避=4
 鎧  ハード・レザー   防御=11 減少=1
 備考:なぜかセイラー服を着ている。通称「亜美」。パーティで一番知
    力が高く、唯一のシャーマンだが精神点が低すぎるのが難である。
-------------------------------------------------------------------------------- 器用度 = 15(+2)  ファルミラ
 敏捷度 = 17(+2)  グラスランナー 女
 知力  = 10(+1)  持ち金 1440 ガメル
 筋力  =  5(+0)  経験点 1500 点
 生命力 = 15(+2) 抵抗力 = 2 冒険者レベル 2
 精神力 = 23(+3) 抵抗力 = 3 シーフ    2
 武器 ショート・スピア  攻撃=4 打撃=2 追加=2
    ショート・ボウ   〃
    ソードブレイカー   〃
 楯  スモール・シールド 回避=5
 鎧  ソフト・レザー   防御=2 減少=2
 備考:ノーテンキでよく喋る。パーティにおけるギャグメーカーであり、
    トラブルメーカーでもある。黒い物を好む。通称「ファル」。
    追記:プレイヤーは『シリア』である
-------------------------------------------------------------------------------- 器用度 = 13(+2)  シュバルツ・ブルーダー
 敏捷度 = 13(+2)  人間 男
 知力  = 15(+2)  持ち金   55 ガメル
 筋力  = 18(+3)  経験点  500 点
 生命力 = 14(+2) 抵抗力 = 4 冒険者レベル 2
 精神力 = 18(+3) 抵抗力 = 5 バード    1
       ファイター  2
 武器 バスタード・ソード 攻撃=4 打撃=17 追加=5
 楯  なし   回避=4
 鎧  ハード・レザー   防御=13 減少=2
 備考:唯一人間。自称「戦う吟遊詩人」。芸名は「ハリー」。パーティ
    におけるリーダー的な存在。
-------------------------------------------------------------------------------- 器用度 = 20(+3)  アフロ・イガ
 敏捷度 = 10(+1)  ドワーフ 男
 知力  =  9(+1)  持ち金   75 ガメル
 筋力  = 18(+3)  経験点    0 点
 生命力 = 21(+3) 抵抗力 = 5 冒険者レベル 2
 精神力 = 25(+2) 抵抗力 = 6 クラフトマン 5
       プリースト  2
       セージ    1
 神聖語(マイリー)/魔力 = 2/6
 武器 バトル・アックス  攻撃=3 打撃=18 追加=3
 楯  なし   回避=1
 鎧  ソフト・レザー  防御=7 減少=2
 備考:強いのに使いモノにならない。戦闘中は鈍重だが、通常行動では
    俊敏な動きを見せる。パーティにおける最も不可解な存在。
--------------------------------------------------------------------------------
 第1章 冒険者集結!

  外はとても寒いが、温風機と電気カーペットで部屋の中は熱気に溢れ
 ている。そんな1994年の大晦日にGMと冒険者達は集まったのでし
 た。GMは気付かれないように録音作業に入る、が、(ゆりあん)に気
    付かれてしまうのでした。(が、とりあえず口止めをしておいて)GM
    の思惑どおりに冒険者たちはいつものペースで騒ぎだすのでした。
    
    そう、GMの企みも知らずに・・・。
 

GM  「それじゃあ、始めます」
シリア     「まず、自己紹介しましょう! わからないから」
ゆりあん    「名前を、じゃあ、ひとりづつ」
プレイヤーB  「唯一人間、シュバルツ・ブルーダー、24歳」
シリア     「愛称は?」
プレイヤーB  「芸名『ハリー』(一同爆笑)」
GM  「あの、敏捷度が速い順番で紹介してもらうから。スティーヴの
   愛称は何?」
ろんめる    「スティーヴの愛称って何?」
一同  「スティーヴはおまえだろ!(笑)」
ろんめる 「スティーヴの愛称はね・・・(考えこむ)」
GM  「じゃあ、スティーヴでいいよ」
プレイヤーB 「スティーヴでいいんじゃん!」
GM  「じゃあ、ヨーヘムの愛称は何?」
プレイヤーD 「えっ? 何?」

 にわかに、騒がしくなって何を言っているのか分からなくなる。

プレイヤーD 「じゃあ、『亜美』ちゃんでいいよ」
シリア    「それじゃあ、ひとりづづプロフィールを発表ということで!」
ゆりあん 「発表するモンじゃねえよ(笑)」
シリア     「だって、わからないもん!」
プレイヤーD 「そんなモンねえよ!」
ゆりあん  「プロフィールは、じゃあアドリブでつくると!」
プレイヤーB 「俺のは単に、スティーヴと一緒にいる理由でしかないから」
シリア    「いいよ、そんなんでも」
プレイヤーB 「じゃあ、読んで!(と、傍観者Bに振る)」
たみくんX   「とある村の吟遊詩人だったが、7年前スティーヴという輩にか
   らみ、喧嘩で負けた事の腹いせに、村中を荒し回り、村の食料
   を全てゴミにした挙げ句、村長を殺害し、村を乗っ取った。し
   かし、勇気ある村の若者がこの事を通報し、ラムリアースの騎
   士によってこの事件は解決された。だが、牢からだ、だ?」
プレイヤーB 「脱獄だろ!」
ろんめる 「自分で書いておいてわかんねえのかよ!(笑)」

 実は、シュバルツのプロフィールは傍観者Bが勝手に書いたのでした。

たみくんX 「牢から脱獄し、今に至る。血肉を見るのが好き。で、今のがシ
   ュバルツの弟のプロフィールだから。で、シュバルツのプロフ
   ィールを読みます。24年前、ラムリアースのマルヴァーンと
   いう町で生まれた。弟は比類無き超極悪人野郎なので、しかも
   弟と顔が瓜二つなので、昔から何度もとばっちりに遭い、とき
   には死にかけたこともあった。(プレイヤーB「(爆笑)」)
   しかし、シュバルツは正義感の強い超熱血野郎で、ラムリアー
   スの騎士団に入ることを希望しているが、弟の悪行の為、それ
   は叶わぬ夢というやつである。一年前、とある町でスティーヴ
   と出会い、色々ともめたが、今は誤解もとけ一緒に旅をしてい
   る。好きな物はオムライスで、嫌いなものが悪人」
ゆりあん&GM 「オム〜ライスを〜かえせ〜!(笑)」
シリア    「じゃあ、はい、スティーヴどうぞ!」
ろんめる    「とある傭兵一家に生まれて、戦火の中で育ってきただけあって、
   多少の事では動じない。シュバルツとは殆どクサレ縁」
ゆりあん 「いい根性してるよ」
スティーヴ 「弟に喧嘩売られるし(笑)、兄貴にはまあまあって言われて、
   結局一緒についてきて、で、傭兵の家に生まれたくせに、魔法
   に興味をもって、で、ソーサラーへの道を歩始めて今に至る。
   で、すげー長髪! 牙神幻十郎ぐらい長髪!(一同爆笑)」
シリア    「次、君だよ」
プレイヤーE 「えっ? 俺? えっと、ドワーフの男で、プリースト&ファイ
   ターって書いてあってね、足を速くする予定って書いてある」
一同  「「「音速ドワーフ!(爆)」」」
プレイヤーE 「しかも、激烈ドワーフでね、自己中心的でね、自己中毒でね、
   しかもね、自己神格化症状があってね・・・」
ゆりあん 「やばすぎ! それって一種のナルシストってやつ?(笑)」
一同  「「「ゴッド技能だ!(爆笑)」」」
シリア    「まるっきり自己中!(笑)」
プレイヤーE 「アイテム独占欲が強くて・・・」
ろんめる 「やばすぎる!」
プレイヤーE 「自分第一で、他はゴミって書いてあってね、金にうるさいくせ
   に自分はポンポン金を使うって書いてある」
ゆりあん 「多分、そのうちパーティから抜けさせられるのは明らかだ」
シリア    「名前は?」
プレイヤーE 「名前はね、アフロ・イガ・スペシャルヴァージョン3.1・・・」
シリア    「ちょっと待てよ!名前ぐらいは・・・」
たみくんX 「それは、ファラリス神官じゃないの?(笑)」
プレイヤーB 「じゃあ、わかりやすく・・・」
プレイヤーE 「愛称は『アフロ』でいいよ(一同爆笑)」
ゆりあん 「アフロ〜ふりむかない〜で(笑)」
シリア    「うるせえよ!(笑)、で、『ファル』です。グラスランナーで
   す。黒をこよなく愛する多少方向音痴気味の盗賊娘です(一同
   爆笑)。で、黒い色をした物なら何でも手に入れようとします。
   もし手に入らなかったら、物欲しそうな目で、じ〜っと鑑賞し
   てます。で、黒以外のモノなんか絶対に認めません! ああ、
   黒っていい色。で、アレクラスト東方にある、とある平原に平
   和に住んでいたんだけど、某ドラゴンさんが突然襲いかかって
   きて、ぼ〜って火を吐いたら、平原が燃えた、きゃーきゃーき
   ゃー状態で、ああ、近くに川があるじゃないか、ぽんって飛び
   込んだら滝で、ひょ〜って、気を失ったらあっという間にいつ
   の間にか出てきて、フッっていって気を失っててさ」
プレイヤーB 「わかんねえ〜〜〜!!(怒)」
シリア     「なんとびっくり! もうオランの街にいるんだよね」
ゆりあん 「流されてきたんだな」
ファル   「まあいいや、みたいなことで、てけてけ歩いてきたんだな」
ゆりあん 「でさ、某ドラゴンって、コーライアス?」

       コーライアスとは以前、傍観者Aがマスターとなり、全く別の
      パーティでPLAYしたときに登場した、シナリオの要の悪役(?)ドラ
      ゴンなのでした(笑)。

シリア    「さあー、何でしょうね(笑)」
ゆりあん 「結構、暴れさせたかった?」
シリア    「(プレイヤーDに向かって)はい、次どうぞ」
プレイヤーD 「俺か?」
シリア    「(だんだん、まわりが騒ぎ始めて)聞こえない、聞こえない!」
プレイヤーD 「オラ、聞けぇ!」
シリア    「聞いてるよ」
プレイヤーD 「キャラクター名は、ヨーヘム・パイパー、種族はハーフエルフ、
   性別はメス、女ではない」
一同  「えっ!? エルフってメスオスなの?」「知らなかった」
プレイヤーD 「まあ、キャラクターについては、そんなもんだ」
一同  「某セーラー”ピー!”(笑)」
プレイヤーB 「ういてるね!(笑)」
ゆりあん 「なんか知らないけど、セイラー服着てるところがポイントなん
   だよな」
ろんめる 「じゃあ、セイラー技能持ってんの!?」
たみくんX 「セイラー技能に”ムーン”ってつけてやる」
GM  「さて、他に何か言っておきたい事とか、あと、お互いの技能と
   かもちゃんと把握しといてね」
シリア    「おもいっきりシーフです。エンターテイナー技能持ってますけ
   ど、まあ、とくに気にしないでください」

  エンターテイナー技能とは、GMが勝手に創った一般技能です。事前に
 プレイヤーAからの強い要望があったので創ったのですが、この時点では
 未完成でした。内容としては、唄って踊れて楽器演奏が出来るバード技能
 から派生させたようなものです。レベルが上がるにつれて有名人になって
 いくという、いわば芸能人になるための技能です。ステータスに『知名度』
 というものがついて、それによってあらゆる行動にボーナスやペナルティ
 がつきます。例えば、情報を集めやすくなる、隠密行動がとれなくなるな
 どです。

ゆりあん 「なんかとってもやばいシーフだな。隠密行動とれないぞ」
プレイヤーB 「俺、唄って踊れるファイターさ!(一同爆笑)」
シリア    「ね、ね、どっちがメインなの?」
たみくんX 「戦う吟遊詩人だから」
プレイヤーB 「そう、戦う吟遊詩人だから!」
ろんめる 「俺、魔法使いだから」
GM  「同じじゃなくてよかったよな」
プレイヤーB 「でも、ファイター技能が高い」
ゆりあん 「おまえら、バンド組むとか言い出すなよ!」
たみくんX 「ベルダイン熱狂!」
シリア     「ねぇ、(プレイヤーCを指して)君が魔法使いでしょ?」
ろんめる 「うん、戦える魔法使いだよ」
シリア     「シャーマン(精霊魔法使い)、いないの?」
GM  「(プレイヤーDを指して)シャーマンは初心者が・・・、記憶
   喪失なんだっけ?」
プレイヤーD 「うん、そう。」
シリア   「んとね、この人は当面の目的を忘れてるけど、別に記憶喪失じゃ
         ないよ! ファルはね、そういう人なの」
GM  「………そうなの?」
シリア     「そうなの(笑)。」

  自己紹介も終わり、いよいよ冒険が始まります。

 第2章 いきなり唄うぜ!

シリア(以下、ファル)
        「で、今どこなの?」
GM  「今、君達はエレミアの街にいます」
ファル  「アレクラストのどの辺?」
GM  「真ん中辺です」
ファル  「オランの街から一生懸命てけてけ歩いて来たんだね。大変だな
   あ。グラスランナーの足で・・・」
ゆりあん(以下、傍観者A)
        「大丈夫だよ、グラスランナーは速いじゃん! 音速じゃん!」
スティーヴ 「音速!」
ファル  「く、黒の、漆黒の閃光!」
ハリー  「まあいいや。今、オランにいるの?」
GM  「いや、エレミアだ。エレミアの街の冒険者の店にいるんだよ」
ハリー  「エレミアって何処にあるんだろう? とりあえず地図を見てみ
   よう(ルールブックの地図を見る)」
スティーヴ 「ワールド・ガイドを発見!」
ハリー  「あったあった! ここだここ!」
スティーヴ 「発見! これだ!」
ハリー  「オランの隣街というか、なんというか・・・」
たみくんX(以下、傍観者B)
      「エレミアっていうのは、職人の街だよ」
ファル  「だめだよ!(亜美がガンダム系の本を見ているのを発見しまし
   た)テーブルトークやってるんだから!(怒)」
亜美  「だって、みんな何か調べてるから・・・」
アフロ  「あ、ザクが出てきた!」
GM  「では、君達冒険者はね、まだかけだしのヒヨッコです。だから
   当然、仕事の依頼はありません」
ハリー  「じゃあ、とりあえず俺が広場に行って詩を唄っていよう」
ファル  「じゃあ、私が伴奏をつけてあげよう。さあやるぞ! ハリー!」
ハリー  「やるぞ!」
ファル  「人通りはどんなもんだい?」
GM  「今は、昼間だけれど、人通りはまばらです」
ファル  「まあ、通常だな、普通だな」
ハリー  「うっし! VVV・ヴィクトリ〜!」
ファル  「では、エンターテイナー技能を持ってる私が、伴奏をするとい
   うことで!」
傍観者A 「そして曲目はコンバトラーV!(笑)」
ハリー  「曲目はコンバトラーV!」
GM  「じゃあ、始めちゃって! 始めると人が集まってくるかもしれ
   ない」
傍観者A 「ギターとかあれば、山本正之メドレーとかやるという・・・」
ハリー  「ギター持ってるよ」
傍観者A 「ギターだ!」
GM  「白いギターだ!(笑)」

  しばらく雑談がつづく。

GM  「いきなり金稼ぎにきたか! じゃあ、金が入るかどうか、バー
   ド技能でチェックするから、早速唄い始めちゃって!」
ハリー  「とりあえず、ヒーローロボット物メドレーを唄ってます」
GM  「じゃあ、バード技能の楽器演奏で・・・」
亜美  「技能がないと唄えないの?」
ファル  「ううん、唄ってもなんの効果も得られないの」
ハリー  「楽器演奏と歌唱は同時にやっても報酬は増えない」
スティーヴ 「へたくそ、やめちまえ!って言われる」
GM  「まだ、人に見せられるものでもない。まあ、彼はまだレベル1
   だからね」
ハリー  「まあいいや、とりあえず俺はギターを弾きながら、ヒーローロ
   ボット物の詩を唄ってます。で、2D×レベル倍の銀貨がもら
   える」
GM  「OK!」
傍観者A 「VVV・ヴィクトリ〜!」
ハリー  「(ダイスをふる)5倍!」
一同  「5!」「5枚か」「5ガメル!」
ハリー  「こんなもんか」
GM  「まあ、あんまりいい詩じゃなかったから、チャリーンっていう
   程度しか入ってこないね」
ファル  「私はただ、唄って踊れるだけで、それだけで満足だから」
アフロ  「俺は隣で、アフロ教の勧誘でもしてよう」
ハリー  「するな、おまえ! そそくさとその場を立ち去る」
GM  「ところで、二人が唄って踊ってる間、残りは何してたの?」
スティーヴ 「途方にくれてた」
亜美  「立ってれば人が集まる。そのテの人が・・・」
傍観者A 「いねーよ、そんな人!(笑)」
GM  「いや、かえって寄ってこないと思う。変な姿をしてれば」
傍観者A 「そうだね、この世界じゃ、一般的じゃないよね。あ、でもミニ
   スカートだから、スケベな男は集まってくるかもしれない」
スティーヴ 「ミニスカートだったのか!」
傍観者A 「あーかわいそ、そのテのじゃなくて、スケベな男の人達がいっ
   ぱい集まってくるんだ、君のまわりには」
ファル  「とりあえず、みんなボ〜っとしてたということで」
GM  「冒険者の店で・・・」
ファル  「冒険者の店の名前は? 黒シカ亭?」
GM  「いや、『うたかたの夢亭』だ!」
一同  「うわ!」「いやだな!」
ファル  「そのお店黒いですか?」
GM  「別に黒くはないよ」
ファル  「ケッ!」

 第3章 噂と事件と旅立ち

ハリー  「とりあえず昼間?」
GM  「まだ昼間だけど、まあ、いつまでもそうしているわけにもいか
   んだろうね。金の無い奴もいるだろうから、仕事を探さないこ
   とには・・・」
ハリー  「とりあえず噂でも聞こう。店の親父に噂を聞く」
GM  「噂を聞くと、『おお、丁度いいところにきたな。今、仕事が一
   件入っているぞ』(やっと本題に入れる)」
ハリー  「どんな仕事だ?」
GM  「『この街から南西へ三日程歩いたところに鉱山があるんだが、
    採掘中に鉱夫が古代遺跡を堀当ててしまったんだ』」
ファル  「おお!」
GM  「『でな、今のところ何も起きていないんだが、もしかしたら中
    からモンスターとかが出てくるんじゃないかと、鉱夫達がお
    びえて仕事にならないから、その遺跡の調査とモンスターが
    いた場合にそれを退治してほしい、という依頼がきているん
    だ』」
ハリー  「やるか?(まわりに同意を求める)」

  プレイヤー達の雑談とも思えるような相談の末・・・

ハリー  「とりあえず、俺の名を売るチャンスだな!(一同爆笑)戦うバ
   ード、シュバルツ・ブルーダー、あ、いや、ハリーだな。ハリ
   ーで売らなきゃ!」
一同  「ハリー!」「ハリーフォーエバー(笑)」
GM  「さて、それじゃあ行くんですね? 旅の準備はよろしいですか?」
ファル  「よくない」
傍観者A 「覇王丸みたいな人、だれだっけ、名前?」
スティーヴ 「いつの間に覇王丸!」
傍観者A 「あ、いや、幻十郎。ファルは彼の髪の毛でも握ってりゃいいん
   だよ」
スティーヴ 「握らないで! さわらないで! 触れないで!」
ハリー  「さて、何が必要かな?」
GM  「とりあえず、三日程かかります。一応、途中に村があるけど」
アフロ  「じゃあ何もいらない、断食!」
GM  「断食するの? 途中の村まで二日ぐらい歩くよ」
ファル  「あれ、食料はひとついくらぐらいだっけ?」
GM  「保存食はひとつ7ガメル」
傍観者A 「そのうちGMが面倒くさくなって、計算やんなくていいって言
   うぜ!(一同爆笑)俺みたいに! 俺バグマスターだから!」
スティーヴ 「自分の処理が重くなる事は、極力避けるんだよ」
傍観者A 「楽しいところはしっかり頂く! これが俺のやりかたよ!」
スティーヴ 「チェックばっかさせて、自分だけ楽しむの、ケケケケケッて!」
傍観者A 「そういうのはちょっと考えもんだな」
ハリー  「今日、Zガンダムやるのかな?」
一同  「やらない!」
GM  「(なんか関係ない話が続いているような・・・)」
ファル  「はいどうぞ!」
GM  「じゃ、みなさんはちゃんと準備が整ったわけですね?(皆うな
   ずく)じゃ(三日もあるのか!)、ちゃんと遭遇チェックの判
   定をしようか」
ファル  「私するするする、ほい!(と、ダイスをふる)」
一同  「何したの?」
ファル  「遭遇チェック」
ハリー  「いつの間に出発したの?」
ファル  「あれ? まだ出発してなかったのか」
スティーヴ 「速い! 先走られてしまった!」
ファル  「グラスランナーですから!」
ハリー  「じゃあ、ひとりで行っちゃったということで(笑)」
ファル  「いいよ。陽気なグラスナンナーだから、何も考えてないから」
ハリー  「後ろからついて来てると思ってるのか?」
ファル  「うん!(一同爆笑)」
傍観者A 「陽気っつーより、ノーテンキなグラスランナーだな」
GM  「それじゃあ、通常行動、荒れ地で、遭遇チェックしよう」
亜美  「(傍観者Bに向かって)まえ、ガンダムが載ってたカタログみ
   たいのあったじゃん、その辺にない?」
ファル  「ないよ、もう片しちゃったから」
GM  「(また関係ない話が・・・)」
ハリー  「あれ? ファルの奴いねえな(笑)どっかで道草くってんだ、
   いくぞみんな!(一同爆笑)」
ファル  「ところがどっこい、私はどんどん先へ行っていた!」
GM  「じゃあ、遭遇チェックやってみよう!」
ファル  「ほい! わーい、5だ!」
GM  「何も出ない。今日は平和だ」

 第4章 アフロは役立たず!?

ハリー  「うちらも、遭遇チェックだ」
GM  「どれくらい遅れてきたんだ?」
ハリー  「一時間くらいかな?」
GM  「一時間程遅れて、エレミアを出発。じゃあ、遭遇チェック!」
ハリー  「うりゃ! 3!」
GM  「敵出現!」
一同  「うわ!」「やったね!」
GM  「小型で人型をして尻尾のはえた犬のようなモンスターが3匹程現れま   した」
アフロ  「ドワーフダッシュ!」
ハリー  「セージの出番!」

  セージチェックでモンスターは『コボルド』と判明しました。パーティ
 の隊列を書いた紙に、GMがモンスターを配置していきます。
  そして、ついに第一回目の戦闘開始! とはいっても、ファルがいない
 ことで戦力は万全ではありません。戦えないドワーフもいたりするので、
 果たしてコボルド3匹といえども、まともに戦えるのでしょうか・・・。

GM  「じゃ、まずスティーヴからだよ」

  しばらく、雑談交じりの行動決定の話がつづく。

スティーヴ 「コボルドCをぶん殴りにいくよ。11!」
GM  「当たり! で、ダメージは?」
スティーヴ 「6点!」

  スティーヴはコボルドCに3点のダメージを与えました。

GM  「次は、亜美!」

  しかし、隊列の一番後ろにいるため、攻撃は届きません。結局、その場
 で待機することになりました。

GM  「次に攻撃するのは、コボルドだな」
ハリー  「俺はコボルドより遅いのか」
アフロ  「ドワーフは120%の精神的ダメージを受けた!(一同爆笑)
   ドワーフは戦闘不能に陥った!(一同爆笑)」
スティーヴ 「陥るなよ!(笑)」
アフロ  「村へ帰って行った!」
スティーヴ 「帰るんじゃねえ!(笑)」
GM  「じゃあ、コボルドBがハリーに攻撃するから、回避してみて」
ハリー  「6ゾロ!」
GM  「うわー! 完全成功!」
傍観者A 「今ね、ハリーの姿が残像となって残った!」
ハリー  「ヒュイイイン!」
傍観者A 「残像踏み込みよけ!」
GM  「コボルドAがスティーヴに攻撃するから、回避して!」
スティーヴ 「12!」
GM  「回避成功!」
スティーヴ 「当たるかよ! へへん!」
GM  「コボルドCが、またスティーヴに攻撃します」
スティーヴ 「13!」
GM  「ことごとくかわされてる! じゃあ次、ハリーの攻撃」
ハリー  「コボルドBに大斬り! 9だ!」
GM  「当たった!」
ハリー  「10!」

  ハリーの強烈な一撃で、コボルドBの生命点が残り1ポイントまで減少!

アフロ  「次、俺? 何出来るのかな?」
GM  「誰を攻撃するの?」
アフロ  「だって俺、ファイター技能ないよ! アフロ・イガ・スペシャ
   ルヴァージョン・3.1脱出モード!」

  戦えないドワーフ、アフロは待機することになりました。

一同  「強いのに!(笑)」「器用度20!」
スティーヴ 「コボルドCを攻撃する。10!」
GM  「当たり!」
スティーヴ 「6点!」

  コボルドCの生命点は残り2ポイントになりました。亜美はこのラウン
 ドも待機。コボルドがハリーとスティーヴに襲いかかるが、全て回避成功。

ハリー  「さてと、もしかして俺の番?」
GM  「そうだね、ハリーの番だ」
ハリー  「じゃ、コボルドBに大斬り一発いこうか! 10だ!」
GM  「当たり!」
ハリー  「追加ダメージで、6!」
GM  「コボルドBは消えた!」
ハリー  「イエーイ! 勝利!!!」
GM  「次は、アフロは何もしないの?」
アフロ  「うんとね、やっぱり、石像化!」
GM  「やっぱり何もしないのか。そういうわけで次は、スティーヴだな」
スティーヴ 「コボルドCを殴るね。12!」
GM  「当たり!」
スティーヴ 「6点!」
GM  「ドカバキ! コボルドCは消えた!」

  亜美はその場で待機。残ったコボルドAはその場を逃げだしました。戦
 闘は冒険者達の圧勝に終わりました。

 第5章 合流

ファル  「ファルが途中で引き返してきました。で、みんなと逢う。なん
   だ、みんな遅れちゃったのか、しょうがないなー、という感じ
   で・・・」
傍観者A 「あくまでも、自分とパーティが一緒にいると思っているわけだ!」
ファル  「そうそう!」
傍観者A 「いい根性してる!」
スティーヴ 「俺らは、あ!いた!って感じで!(笑)」
アフロ  「シカトだよ。あんただれ!」
ハリー  「いや違う。ファルは後ろにいると思って、後ろの方を気にして
   るんだ(笑)」
ファル  「で、いつの間にか合流しているんだよ」
傍観者A 「嫌なキャラクター!」
スティーヴ 「君、誰?とか言われてるの(笑)」
ハリー  「来ねえな、ファルの奴!」
ファル  「え?何?」
ハリー  「おわあ!早かったな!先に出ちまってわりいな!(一同爆笑)」
ファル  「何言ってるんですか?あんたたちこそ遅かったじゃん!まあい
   いけどさ!(笑)」
スティーヴ 「あれ? コボルドの最後の1匹どうなったの?」
GM  「最後の1匹は逃げたよ」
ハリー  「ちっ!」
ファル  「え?何?戦闘でもあったの?くすくす(笑)」

 第6章 ハリーの子守唄

GM  「じゃ、そういうわけでみんな合流しました。さて、目的地へ向
   かって・・・」
ファル  「再度出発!というわけで、遭遇チェック!」
GM  「いや、もうすでに日が暮れようとしているんだよ」
ファル  「じゃ、野宿だ!野宿野宿野宿〜。暗い世界!黒だ黒だ!黒が襲
   いかかってくる!」
ハリー  「薪を集めてくる」
スティーヴ 「そうしよう」
GM  「ここは、結構見通しのよい平原だよ」
ハリー  「では、マシュマロでも焼きながら、ギターでも弾くかな(笑)」
ファル  「私が横笛を!(笑)ぴろりろり〜」
GM  「そういうわけで、日が暮れてきました。で、みんな寝るわけ?」
ファル  「寝ます」
スティーヴ 「起きてようかな」
亜美  「寝ます」
ハリー  「寝る」
スティーヴ 「寝ようかな。でもダメージうけてないしな。疲れてないしな」
ハリー  「そうだなあ、トラップを仕掛けておこう」
スティーヴ 「草でも縛っておこう」
ハリー  「うん、草を縛る」
スティーヴ 「で、自分でひっかかるんだよな(笑)おはよう!バタン!って!」
ファル  「じゃあ、夜番は?」
ハリー  「夜番はアフロだよ」
アフロ  「アフロは速攻睡眠に入る(一同爆笑)」
GM  「みんな、保存食を減らしておいてね」
アフロ  「アフロは他人の保存食をあさった」
GM  「とりあえず、遭遇チェックをするから。誰が起きてるの?」
ファル  「ハリーが起きてるんじゃん!」
ハリー  「私は子守唄でも弾いてる(笑)」
スティーヴ 「でも、ハリーの子守唄じゃ眠れないよ!(笑)」
傍観者A 「ハリーの子守唄はヘビーメタル!」
GM  「所詮、5ガメル程度でしかないような唄だ!(笑)」
スティーヴ 「俺は何度も聴かされてるから、慣れちゃって眠れない(笑)」

  その夜はモンスターも現れず、みんなぐっすり眠りました。

 第7章 ひたすら平和な一日

GM  「朝起きて、食事する人は保存食を減らしておいて」
ファル  「OK! じゃ、荷物まとめて行きましょう」
GM  「さて、真っ昼間の遭遇チェックをやってみようか」
ハリー  「5!」
GM  「何もないや。なんて平和なんだ!」
ファル  「カラスさんが見つからないよー、しくしくしく」
GM  「この辺は鳥が止まれる木がないんだよ。さて、そろそろ日が暮
   れてくる」
傍観者A 「あ、ファルは白いギターなんか大嫌いだろ?」
ファル  「ケッ! 美しくない!」
GM  「それじゃあ、遭遇チェックしよう」
ファル  「遭遇チェック〜、6!」
GM  「なんも出ないなー。なんて平和なんだ!」
傍観者A 「さわやか!」
GM  「さて、また夜がやってきます」
スティーヴ 「○ナティック・○ーンみたい」
傍観者  「夜の人、ファルミラ・シレーヌはこの上ない喜びにつつまれる
   のであった!」
ファル  「クケケケケケケッ!」
傍観者A 「そうだ! 君の称号は『夜の女帝』だ、決定!」
ハリー  「夜の女王?」
傍観者  「女帝だよ、女帝! て・い!」
スティーヴ 「じゃ寝よう。夜は女帝にまかせて寝ようか」
GM  「寝る人は寝て、起きてる人は起きてるってはっきり言って」
スティーヴ 「寝まーす」
ファル  「寝まーす」
傍観者A 「女帝、寝るのか?」
ファル  「寝るよ」
傍観者A 「ああ、目閉じれば暗闇だから君は嬉しいんか!」
ファル  「そうそうそう!(一同爆笑)」
ハリー  「だめだ! 寝かせねえぞ!」
ファル  「ひょーっ!」
スティーヴ 「てめえは起きてろ! 俺らが寝るんだ!」
ファル  「じゃあ、しょうがない、起きてる。遭遇チェック!はあっ!ほ
   あっ! 6!」
GM  「何も出ないなあ。なんか出目がいいなあ」
ハリー  「明け方にスティーヴの腹に蹴りを入れて、スティーヴが起きると!」スティーヴ 「痛えじゃねえかよ!」
GM  「そういうわけで、また朝がやってくる」
ファル  「あーん、明るくなっちゃった! 暗くない、暗くないよー!」

 第8章 夜の黒豹亭

GM  「で、出発して旅を続けていると、昼頃、村らしきものが見えて
   きました」
ハリー  「村だ!」
GM  「鉱山の町じゃないよ」
アフロ  「ドワーフダッシュ!」
GM  「まだ昼前ですから、泊まるにはまだ早いかも」
アフロ  「店を襲う!」
ファル  「とりあえず、冒険者の宿を探す。お店の名前は?」
GM  「お店の名前はね、『夜の黒豹亭』というんだ(一同大爆笑)」
ファル  「スバラシイ!ここにしましょう!絶対ここに泊まりましょう!
   ここに永住しても構いません!」
傍観者A 「よるのくろひょうてい〜!?」
GM  「まあ、ここは冒険者の店という程でもない。小さい村の小さい
   宿屋です」
ファル  「とりあえず、スポンサーに会いに行かないと」
GM  「ここじゃないよ。鉱山の町はもっと先の方だよ」
ファル  「じゃあそこんところに行かないと。素晴らしい宿なのに〜」
ハリー  「とりあえず、村で一晩待つか」
ファル  「おお。素晴らしい!泊まりましょう!私だけは少なくとも私だ
   けは絶対に泊まります!」
ハリー  「みんなファルのお金ね(笑)」
ファル  「ひょーっ!」
GM  「まだ昼間だぞ」
ハリー  「とりあえず部屋だけとっとく」

 とりあえず泊まる事が決まり、それぞれが勝手に動き始めます。

ハリー  「じゃあ、俺は食堂か酒場で、弾く!」
傍観者A 「またか!」
ハリー  「またやるぜっ!」
GM  「いっとくけど、お客さんはあまりいないんだけど」
ハリー  「6!」
GM  「まあ、『唄ってくれてありがとよ。』って店の親父が・・・」
ハリー  「やったー! 6ガメル!」
スティーヴ 「じゃあ、俺サクラのふりして、うわー!すっげー!(笑)」
一同  「わーわー!」「ヒューヒュー!」
スティーヴ 「ひとりサクラで、もろ目立ってるの(笑)」
傍観者A 「夜中は『夜の女帝ファルミラショー』か」
ファル  「じゃあ、私が踊ってあげよう」
ハリー  「じゃあ、早速親父にオムライスをたのむ」
GM  「OK! 特製のオムライスだ!」
ハリー  「いくらだい?」
GM  「ここの店のオムライスはあんまり旨くはないんだ」
傍観者  「えーそうなの? けろけろけろちゃんになっちゃう店じゃないの?」GM  「隙間だらけのオムライスだから」
傍観者A 「あーそうなんだ」
ハリー  「人間が食う物じゃないと判断するぐらいの不味さじゃなければ
   食うから」
GM  「人に出す物だから、それなりの出来だから。でも、そんなにメ
   チャクチャ旨い物でもないから」
ハリー  「別にメチャクチャ旨い物食いたいわけじゃないから。とりあえ
   ずオムライスが食いたいだけだから」
GM  「で、そろそろ・・・」
ファル  「暗くなってきた?」
GM  「いま、ハリーは御昼御飯を食べた」
ファル  「じゃ、私は黒のお店で、黒い私が1階のロビーでうずくまって
   て、ああ、私は美しい、って陶酔してます」
ハリー  「スティーヴ、ロープ持ってる? 持ってないか」
GM  「この村はたいして店ないぞ。この宿屋ぐらいしか」
ファル  「じゃあ鉱山の話を聞いてみようか。親父、鉱山の話知ってる?」
GM  「『いや、とくに聞いてないが、鉱山の町はここからあと一日ぐ
    らいだよ』」
ファル  「おお、そんなところなのか」
GM  「『鉱山に入るんだったら、鉱山の町に顔を出しておいた方がい
    いぞ』」
ファル  「おお、なるほど。さすが黒い親父!」
GM  「親父まで黒くない(笑)」
アフロ  「アフロヘアー化してる」
ファル  「さすがに黒い人は素晴らしい!」
ハリー  「なんか鉱山に用事はないか? 用事があればやってやるから」
GM  「『いや、とくにないなあ』」
ハリー  「そうか」
GM  「そういうわけで、だんだん日が暮れてくる」
ハリー  「部屋に行く」
ファル  「じゃあ私は1階のフロアで、唄いましょう」
傍観者B 「あ、俺らの事気にしないで」
傍観者A 「絶対気にするなよ!(と言って、ボードゲームを始める)」
GM  「部屋割をして。一番広くて三人部屋、あとは二人部屋か一人部
   屋です」
ファル  「女って二人だけ? じゃあ男三人と女二人で」
GM  「丁度よく分かれたね」
ファル  「で、私は1階のフロアで、黒い宿を語って唄ってます」
ハリー  「じゃあ、我々は明日、朝早いから。ファルは明日、朝遅いから」
スティーヴ 「そうだね、寝るか?」
ハリー  「寝るか。早々と寝て、早々と起きるぞ。こう、みんなでうなず
   いて(笑)」
スティーヴ 「ブロックサインで」
ファル  「で、その頃、一生懸命唄ってるわけだ。唄って踊ってる」
ハリー  「アイコンタクトで、こう(そういう目線で)、で、みんな早め
   に寝る」
GM  「そういうわけで、また、朝がやってきました」
ハリー  「早速、フロントに行って・・・」
ファル  「ファルはその辺でくたばってる」
スティーヴ 「チェックアウトします」
ハリー  「(ファルを指して)料金はあいつから(笑)」
ファル  「おいくら?」
GM  「うーんとね、だいたい一人20ガメル程減らしといて」
ファル  「20ガメル、何人だっけ?」
スティーヴ 「5人」
アフロ  「ららら〜ドワーフ〜皿洗い決定〜!」
GM  「もう借金かい!(笑)」
ファル  「みんなの分払っといたから。私がここは払ってあげましょう。
   やっぱり黒の人はこう、気前よくなければ」
ハリー  「なーんて言ってる時に、すでに我々はいない!(一同爆笑)」
ハリー  「我々はすでに村の出口辺りに!(一同爆笑)」
GM  「で、その後をファルが追いかけて行くと!」
ファル  「うー行きたくないけど、みんな行っちゃうからしょうがないか。
   また寄りますからねーって言って、てけてけてけー」
GM  「『毎度ありがとうございます』」

  間抜けな一夜を過ごした冒険者達は、村を後にするのでした。

 第9章 おいしいところはファルのもの

GM  「そういうわけで村を後にして、更に南西へ歩くわけですけど。
   じゃあチェックしよう」
ファル  「ワンダリングチェック〜、はっ! 1!」
GM  「出た!」
一同  「あ〜あ、出ちゃった」
ファル  「そのヒト黒い?」
GM  「いや、黒くはない。またコボルドだ。今度は5匹いるよ」
ファル  「その辺りに木はありませんか?」
GM  「少し離れたところに高い木があります」

  GMが即席で用意した戦闘場面のマップに冒険者達は隊列を書き込んで
 いきます。例によって戦えないドワーフ、アフロは隊列の一番後ろでつっ
 立っています。

GM  「みんな書き終わったんですね、早いですね」
ハリー  「じゃあ、アフロの位置、勝手に決めたから(笑)」
アフロ  「いればいいよ。そこに俺がいる事を誰も止められないんだ」
ハリー  「なんか情けないな(笑)」

  GMはモンスターを配置したマップを冒険者達に見せます。

GM  「はい、じゃあこんな感じです」
ハリー  「さて、じゃあとりあえず俺の獲物はBとCだ!」
スティーヴ 「じゃあ、俺がAとDか」
ハリー  「いや、スティーヴはDとEで、亜美ちゃんが・・・」
スティーヴ 「Aか」
ファル  「はいどうぞ。じゃあスティーヴさん、なんとかしてくださいな。
   レッツゴースティーヴ!」
スティーヴ 「どうしようかな。走っていってぶん殴ってもいいしな。魔法唱
   えるのも惜しいしな」
ハリー  「俺はもう、Bに大斬りって初めから決めてるから」
スティーヴ 「じゃあ、DとEにね、一発づつね『エネルギーボルト』をかま
   してみる」
ファル  「おお!」
スティーヴ 「これやったら、俺もう終わりだ」
アフロ  「さらば〜ドワーフ〜!」
GM  「じゃあ、DとEに『エネルギーボルト』。やってみて」
スティーヴ 「13!」
GM  「Dには効いた」
スティーヴ 「だめだ、6だ」
GM  「Eには効かなかった。不完全だ」
スティーヴ 「じゃあ、Dのダメージね。6点! 変わんねえじゃねえかよ(笑)」ファル  「殴った方がよかったんじゃないかな」
スティーヴ 「いや、殴っても同じだったんだよ」
GM  「じゃあ、Eの方、0レーティングだ」
スティーヴ 「7だ!」

  エネルギーボルトがコボルドDとコボルドEに炸裂。Dに5のダメージ、
 Eに6のダメージを与えました。

GM  「あれ? なんで0レーティングの方がダメージがでかいの?」
ファル  「いい? 問答無用で木に向かって全力疾走!」
GM  「その前に亜美の番だから」
ファル  「な、何! この人の方が速かったのか!」
亜美  「ロング・スピアでAに攻撃。8!」
GM  「回避された」
亜美  「スカ!」
ファル  「で、全力疾走しました。木のたもとまで行けたかな?」
GM  「全力疾走すれば木のたもとまで行ける。そこで登るならまた1
   ラウンド」
ファル  「はい」
GM  「で、じゃあ次はコボルドの番」
アフロ  「ドワーフは幻滅した!」
ハリー  「俺はコボルドより遅い」
スティーヴ 「エネルギーボルト2発使ったら何も出来なくなってしまった。
   使えねえー! トホホ」
ハリー  「ツフフ団」
スティーヴ 「トホホ、タハハ」
GM  「じゃあAが亜美を攻撃します」
亜美  「10だ!」
GM  「スカッとかわした。次、Bの攻撃なんだけど、待機します」
ハリー  「Cは?」
GM  「Cは亜美に攻撃する」
亜美  「10!」
GM  「またかわした。じゃあ次、Dが亜美に攻撃」
スティーヴ 「集中攻撃だな」
亜美  「15だ!」
GM  「回避出来た。次、Eは動きません。その場で待機します」
ハリー  「よし、じゃあ俺の番だな。Cの方へいって大斬り。6ゾロだ!」
GM  「なに!!」
ハリー  「あーあ、大した事ないな。9だ!」

  ハリーはコボルドCに5のダメージを与えました。

アフロ  「次、俺か? なにもできない〜。私の存在を止める事は出来ない」
GM  「何もしないの?」
アフロ  「だって、何も出来ないじゃん」
スティーヴ 「じゃあ、俺の番か。Dに攻撃。11!」
GM  「当たった!」
スティーヴ 「当たるよ。いけっ! 5点」

  スティーヴはコボルドDに2のダメージを与えました。

GM  「じゃ次は、亜美」
亜美  「いくよ、Aにいってみようか。11」
GM  「当たった。ダメージは?」
亜美  「4ポイント」

  亜美の攻撃はコボルドAに1のダメージしか与えられませんでした。

GM  「はい、次は、ファル」
ファル  「木に登る! だだだだだ! 登った!」
GM  「そこで終わりだ!」
ファル  「終わった!」
GM  「登って終わった!」

  コボルドは攻撃をしかけるが、誰を攻撃しても簡単にかわされてしまう。

ハリー  「よし、Cに向かって大斬り! 9!」
GM  「当たった!」
ハリー  「8点!」
GM  「コボルドCは死んだ! 次はアフロ」
アフロ  「俺、動けないよ。何も出来ないんでしょ?」
GM  「なんか、どっかで聞いたパターンだな」
アフロ  「やっぱりファイター技能をつけてなかったのがよくなかったら
   しい。アフロは思考する事をやめた」
スティーヴ 「じゃあ俺か! Dに攻撃。当たって! 当たったと思う、12!」
GM  「命中!」
スティーヴ 「前に9で当たった事があるからな、5!」
GM  「Dは死んだ!」
ファル  「あと何匹残ってる?」
GM  「あと3匹だ。亜美はどうする?」
亜美  「Aに攻撃する。6」
GM  「6は当たらないや」
ファル  「いくぜ! ゴブリン達に向かって叫ぶ!」
一同  「ゴブリンじゃないよ!」
ファル  「コボルド達に向かって叫ぶ! あなたたち! もうそこまでよ!
   と叫びつつ弓矢を射る!」
GM  「おお! 弓矢を射るか!」
ハリー  「あ、叫ぶで1ラウンドな(笑)」
ファル  「なに! じゃあいいよ。つがえる、サッと構えて。コボルド達
   の注意を引く」
ハリー  「決めポーズだ!」
ファル  「決めポーズの状態でいる」
GM  「他のみんなは注目しないの?」
一同  「しないよ!」「相手にしない」「半分無視状態!」
GM  「じゃあ、コボルド達の回避がマイナス2になりました」
ファル  「おお! 役に立ってる」
GM  「そうか、そういう手があったのか!」
スティーヴ 「そういうパーティの協調を乱すような奴のする事には絶対動じ
   ない! しかも俺の場合、性格的に動じない」
GM  「じゃあ、そういうわけでコボルド達は、はっと見ただけで、終
   わってしまいました(笑)」
ハリー  「それじゃあ、俺。Bに大斬り! また9で当たりだな!(笑)
   あー大した事ないや、10点!(笑)あと1削りでアウトだ」

  ハリーの大斬りがコボルドBに瀕死の打撃を与えました。残りあと1ポ
 イントになりました。アフロはいつもどおり待機です。

スティーヴ 「Eに攻撃。さっき俺のエネルギーボルトが入ってるから大丈夫
   だろう。当たって! 9だな」
ハリー  「当たったな」
スティーヴ 「クリットしてくれよ、ってクリットしないんだよな。4点だ、
   ますます低い」

  スティーヴの攻撃は1ポイントしか与えられませんでしたが、最初のエ
 ネルギーボルトが効いていたので、コボルドの生命点は残り1ポイントに
 なりました。

スティーヴ 「あーあ、弓矢つがえてるのに、敵がいなくなったら爆笑してや
   ろうと思ったのにな」
GM  「次は、亜美」
亜美  「Aに攻撃。11」
ハリー  「当たり当たり」
亜美  「4だな」

  亜美の攻撃は、コボルドAに1ポイントのダメージしか与えられません
 でした。

ファル  「ふっふっふっふっふっ! 手前の方に射つ」
GM  「Bが一番近いかな」
ファル  「じゃ、Bだ。いくぞ! はあっ! 12! 当たるよね」
GM  「当たるよ」
ファル  「当たりはするんだよ。8! ああ、8じゃ駄目なんだ! クリ
   ットしなきゃ! 追加ダメージ足して5、5点!」
GM  「Bは死んだ!」
ファル  「おお! 死んだ!(笑)」
ハリー  「だからあと1削りでアウトって言ったじゃん!」

  ファルが劇的な演出の果てに、コボルドBを倒した事で、戦闘の盛り上
 がりは最高潮に達しました。残るは2匹です。Aは亜美に攻撃をしかけま
 すが、亜美は難なく回避。Eはスティーヴに攻撃をしかけます。

スティーヴ 「13!」
GM  「当たり!」
スティーヴ 「え!うそ!?」
GM  「あ? 当たりじゃないや、かわした」
ハリー  「びっくりした(笑)」
一同  「(爆笑)」「これで当たったら恐いよ(笑)」
ハリー  「じゃ、俺の番ね。Aに大斬り! うん、当たりだな、12!」
GM  「当たりだ」
ハリー  「ファンブル!(笑)」
GM  「わお! 1ゾロ! 経験点プラス10だ!」
ハリー  「やったーー!!(笑)」
GM  「次はスティーヴ。(アフロは無視状態)」
スティーヴ 「Eに攻撃。当たった、9だ!」
GM  「当たりー!」
スティーヴ 「5点」
GM  「Eは死んだ」
ハリー  「あ、Aだけになってしまいましたな」
GM  「亜美の番なんだけど、攻撃する?」
亜美  「攻撃するよー、8」
GM  「スカ!」
ファル  「ほっほっほっ!私の番ね! と言いつつ弓矢をまた射る。ひょ
   い! 14!」
GM  「当たり!」
ファル  「いくぞー、クリット!しないなあ。だめだ、あ、してるわ」
GM  「え!?」
ハリー  「あ、おまえシーフなのか、ちっ!」
ファル  「4+・・・」

  しかし、次のダメージ判定で1ゾロ!

ファル  「4だけで、6点」
スティーヴ 「クリットしても悲しいな(笑)」
ハリー  「クリットして、ファンブルは大爆笑!」

  クリティカルのかいなく、与えたダメージは3ポイントでした。

GM  「そうすると、コボルドAは逃げます」
ハリー  「追い打ち!(笑)」
スティーヴ 「疲れるから、俺はいい」
ハリー  「逃がすかあ!(笑)10!」
GM  「余裕で当たってるな」
ハリー  「10点!」
GM  「Aは死んだ!」
ハリー  「ずばあ! 勝負ありっ!」
GM  「ああっ! なんて酷い事を」
ハリー  「悪は許さないのさ」

  こうして長い戦闘は終わりました。そして、再び目的地へ向かって歩き
 始めます。

 第10章 鉱山町

GM  「で、午後になって、ようやく鉱山の町に着きました(やっと着
   いた)」
ハリー  「さてと、じゃあ、その依頼主とやらを探そう」
ファル  「さがせさがせ!」
GM  「依頼主はこの鉱山の責任者だ」
ハリー  「ちぃーっす! 仕事を受けに来たハリーとその一味です」
GM  「『いやあ、よく来てくれましたね』」
ファル  「お元気でしたか?」
GM  「『お元気でしたかって、まだお会いした事ありませんが』」
ハリー  「とりあえず、どっかにやる!(笑)」
ファル  「ああ〜!」

  話が進まないので、ファルはその場から連れ出されました。

ハリー  「とりあえず、今の状況を」
GM  「『うむ、今のところモンスターが出てきたりとかは、まるでな
    いんですが、あれから鉱山の方には誰も入ってないんです』」
ハリー  「うんうん、ということは、調査してここは安全だという事をア
   ピールすればいいんですね?」
GM  「『そうです。それで、鉱山に入る時にひとつ気を付けてもらい
    たい事があるんですが、ちょっと岩盤が崩れやすくなってい
    るかもしれないんです』」
ハリー  「だ、旦那!」
スティーヴ 「旦那! 旦那!(ひきつった笑い)」
ハリー  「危険手当は?(笑)」
GM  「『そのことでしたら、後々の報酬の方にちゃんと含まれており
    ます』」
ハリー  「よし、みんな、ちゃんとチェックしとこうぜ!」
スティーヴ 「岩盤注意と」
ハリー  「で、期間としてはどれぐらいで?」
GM  「『3日以内には、ちゃんと仕事を終えてほしいんですが』」
ハリー  「じゃ、解りました。じゃあ早速明日から取りかかります」
スティーヴ 「明日から3日間ね」
ハリー  「今夜は宿に泊まります」
スティーヴ 「今日は疲れたので、寝ます」
ファル  「お宿はどこ〜?」
GM  「お宿? お宿は鉱山の町の・・・」
ハリー  「名前考えてる!」
一同  「名前考えてる!」「名前は?(笑)」
GM  「依頼主が自宅の部屋のひとつを貸してくれました」
ハリー  「おお、よかったよかった」
スティーヴ 「精神力は回復しちゃうんだよね、寝ちゃえば?」
GM  「うん」

  というわけで、その夜は皆、よく眠ったのでした。そして翌日・・・。

ハリー  「さて、ところで誰かランプとか持ってるよね? 松明とか。俺、
   持ってねえとかいったら泣くよ!」
GM  「みなさん、ランプお持ちですか?」
ファル  「持ってます〜、ランタン」
ハリー  「お! ところでさ、アフロって何も持ってないの?」
アフロ  「うん!」
ハリー  「・・・使えねえ!(一同爆笑)じゃあとりあえず、アフロに持
   たしておこう」
スティーヴ 「あ、ねえ『ライト』ってどれぐらい持つんだろう?あ、時間は
   延ばせるんだっけ?」
GM  「ライトはねえ・・・(ルールブックを見る)」
ハリー  「松明ある?」
亜美  「松明あるよ」
ハリー  「じゃあ、アフロに火を持たせて・・・」
ファル  「ランタンより松明の方がいいね。『ファイアボルト』が使える」
GM  「ライトの持続時間は12時間だ」
スティーヴ 「12時間も点けられるんだ」
ハリー  「まあいいや、とりあえず松明を持たせよう。どうせやることな
   いんだから。アフロ、松明持ち」
GM  「準備はよろしいですか?」
ハリー  「準備よろしい」
GM  「では、みんなが出るときに、依頼主が『鉱山の中は迷路みたい
   になっているから気を付けてくださいね。』と言いました」
ハリー  「ち、地図はないのか?」
GM  「あ、地図がほしい?」
ハリー  「ほしい! あるならくれ! わかってるところまででもいいや」
GM  「『わかりました。地図をお渡し致しましょう』」

  GMは紙に鉱山の地図を書きます。

ハリー  「だって鉱山だもんな。地図がないとおかしいもんな」
スティーヴ 「おかしいよな。掘った奴が知っている筈だもんな!」
GM  「こいつらは(笑)マスターに対してなんてことを言うか!(笑)」
スティーヴ 「悪者二人組(笑)」
GM  「マスターいじめだ、うう〜(笑)」
ハリー  「さて、何が出てくるかな。どうせモンスターかなんか出てくる
   んだろうな〜。なんか変な、岩盤が崩れてきたっていうトラッ
   プもあるんだろうな。なんかこう、仕事終わらせて、ああ疲れ
   た、じゃ出るか、っていうときに崩れてきたりするんだ、こい
   つのパターンだと(笑)やばいぞ! 敏捷度チェックだ、とか
   言ってさ!(笑)」
ファル  「大丈夫! 君とアフロ以外、大丈夫だから」
スティーヴ 「俺、自信ある!」
ファル  「化け物だもん、スティーヴは!」
スティーヴ 「だって俺、0.9秒で180度方向転換出来るもん」
GM  「で、こんな感じです(地図を見せる)」

  そして冒険者達は鉱山へ足を踏み入れるのでした。

 第12章 鉱山の中の古代遺跡

GM  「中に入ると、まあ、湿っぽいですね」
ファル  「じめじめしてる。でも暗いから許す」
ハリー  「あのー、白い服とか変な色に光るとか」
スティーヴ 「あれはライトとか点いてる時のだろ」
ファル  「ブラックライト!?」
GM  「松明で中を照らしてみると・・・」
ファル  「じゃあ私が松明をもって、不用意に前の方へてけてけてけてけ
   進んで行きましょう」
ハリー  「じゃあ、アフロの持ってた松明をぶんどって、前にズカズカ行
   くわけね?」
ファル  「そうそうそう!」
ハリー  「じゃあ隊列決めておこう」
ファル  「アフロは松明なくても見えるから、当然前の方ね」
アフロ  「アフロアフロ言うな〜!(一同爆笑)」
スティーヴ 「おまえが言ったんやんけ!」
GM  「ええと、松明で照らしながら行くと、鉱山ですからね、あちら
   こちら掘り返した跡とかがあります」
アフロ  「あれ? もう鉱山を進んでたの?」
GM  「君は話を聞いてなかっただろう!? そういうわけで、あちこち
   崩したところとか、ランプを掛けたりするやつがあったりします」

  冒険者達は地図を頼りに坑道を進んで行きます。そして、何事もなく古
 代遺跡まで辿り着きました。

GM  「そこを、ちょうどつるはしで崩されたところに古代遺跡があり
   ます」
ハリー  「どんな造りになっているんだ」
GM  「結構、ちゃんとした造りになっています」
ハリー  「セージチェック!」
GM  「何をチェックするの?」
ハリー  「古代遺跡があるから、ちょっとセージチェックしてみて」
亜美  「11!」
GM  「どんな事を知りたいのか知らんけど、まあ、とりあえず古代遺
   跡なんだけど、どうもそこは古代遺跡の通路の壁を崩してしま
   ったらしい」
ファル  「大理石? それとも黒曜石?」
GM  「なんだか解らないけど、人が造ったことは確かだ」
ハリー  「なんか、石畳みたいになってて、綺麗な正方形の通路が・・・」
GM  「うん、そういう感じだ」

 第12章 古代遺跡は謎だらけ

  冒険者達は古代遺跡の中へ足を踏み入れました。

ファル  「で、空気がカビ臭くなるんだね」
亜美  「いや、ならないんじゃないの!?」
GM  「なんか、妙に臭いです」

  冒険者達は隊列を整え、遺跡の探索を始めました。GMの説明を頼りに
 マップを記しながら進んで行きます。遺跡に踏み入れた場所から左の方に
 はまっすぐま通路があり、その通路の途中に右の方へ通路が分かれていま
 す。右の方はまっすぐな通路が突き当たりで左に折れています。冒険者達
 は右の方へ歩き出します。突き当たりを左に折れるとまっすぐな通路が続
 いており、やがて、その通路の途中で扉を発見しました。

ファル  「じゃあ、問答無用で、バーンと開けてみましょうか!」
ハリー  「よし、じゃあ扉チェーック! GO! ファルを投げ込む!」
ファル  「ベチャ!って当たりました」
GM  「なに?(予想外の行動に戸惑うGM)」
ハリー  「ファルが扉に当たりました」
ファル  「開かない?」
GM  「ちょっと開かないですよ。体当たりしたぐらいじゃ」
ファル  「じゃあしょうがない、引き戸なんだ。引っ張ってみよう、ぐい
   ぐいぐい!」
GM  「いや、鍵がかかってるんだ」
ファル  「なんだ、鍵がかかってるのか。じゃ、鍵開けチェック! はあ!
   おお! 14!」
GM  「開いた!」
ファル  「ガチャ! 開いちゃったよーって。で、不用意にぐいって開ける」
GM  「そこはね、正方形の部屋になってるんだ」
ファル  「じゃ不用意に入る。てけてけてけ」
アフロ  「ドワーフ一番乗り!」
GM  「で、部屋に入ったところで、どうしましょう?」
ハリー  「まわりを見る。調べる」
ファル  「見渡す。きょろきょろきょろ」
亜美  「天井までの高さが知りたい」
GM  「だいだい3メートルぐらいかな。高いなあ」
亜美  「3メートルじゃ低いよ」
GM  「そうかな!?」
ファル  「ドアが突然閉まったりするかなあ。で、天井がガラガラガラー
   って落ちてきたりするかな!?」
GM  「なかなか用心深い奴だな」
ハリー  「扉は開けっ放しにしておこう。閉まらないようにしよう」
ファル  「スティーヴをそこに置いておこう」
ハリー  「いやいや、アフロを置いておこう」
スティーヴ 「OK! アフロはつっかえ棒だ」
アフロ  「アフロは精神の世界を離脱した(一同爆笑)」
GM  「で、その部屋の隅の方にね鍵がかかっているんだ」
ファル  「隅に鍵がかかってるの?」
ハリー  「扉があるわけじゃなくて?」
GM  「鍵がひっかかっているんだ」
ハリー  「じゃあ『?キー』を手に入れたという事で」
ファル  「じゃあ、ひょい!って手に入れる」
ハリー  「じゃあ、走って取ってこい、ってファルに言う」
ファル  「はい! だだだだだ!」
亜美  「いいの? 取っちゃって?」
ファル  「うん、無作為にとって、無作為にポケットの中に入れる」
ハリー  「じゃ逃げよう」
ファル  「じゃ行こう。てけてけてけ」
ハリー  「じゃ、一番最後に捨て台詞を吐いて逃げる。(笑)おぼえてろ
   ーって!(笑)」
ファル  「次はなくってよー!って、バン!と閉めて」
スティーヴ 「誰もいねーじゃねえかよ!」

  冒険者達は更に奥へと進んで行きます。するとT字路に出くわしました。
 そこを右に曲がると・・・

GM  「そこは行き止まりになっています」
ハリー  「え、いきなり?」
GM  「いや、4メートルぐらいで行き止まりになってます」
ハリー  「そいで? 鍵穴がある?」
GM  「ないです」
ハリー  「とんとんとん」
アフロ  「はいってまーす!」
ファル  「じゃあ、体当たり! だだだだだ、だーっ! ゴーン!」
GM  「残念ながら、反応はないね」
ハリー  「ファルを投げる」
ファル  「ひゅー、ごん!きゃははははは!」
GM  「ダメージ1!」
ファル  「ちょいと痛い」
ハリー  「じゃあ何もないんだね、見た目は?」
亜美  「壁の材質はまわりと同じですか?」
GM  「壁の材質はまわりと同じです。でも、さっき叩いたときに、向
   こう側が空洞のような感じの感触があった」
ハリー  「よし、じゃあここは俺様の剛腕で、バーン! 殴ってみた」
GM  「でも、なんともない」
ファル  「誰か槍かなんか持ってないの?」
ハリー  「ハンマーとか。ピコハンマー!」
ファル  「ああ、そうだ! じゃあ、スピアの柄でこんこんこんこんこん
   こん、って確かめる」
GM  「うん、確かに向こう側が空洞になってるらしいんだけど、どう
   も開けられないぞ、と」
ハリー  「面倒くさい。じゃあ、他のところへ行こう」
ファル  「うん、そうだそうだ!」
GM  「で、何処へ行くの?」
ハリー  「そこのT字路へ戻って、その先の方へ」
GM  「そこはまた、2メートルぐらいのところで行き止まりになって
   るんだよね」
ファル  「だだだだだだ、ごん! 体当たり!」
GM  「痛い!」
ファル  「たらたらたら〜」
ハリー  「また壁を叩いてみる」
ファル  「こんこんこん!」
ハリー  「ここは普通の壁か?」
GM  「普通の壁だな」
ハリー  「よし、じゃあ、ガンガンガンガン戻っていって、初めのT字路
   のところまで行く」
ファル  「そうだそうだ! 解らない時は別なところを歩くだわさ」

  冒険者達は入ってきた時の通路の左の方に見えたT字路へ向かいました。
 そのT字路を右に曲がると、2メートルぐらいですぐまた右へ折れました。

GM  「そこには、堅そうな扉があった」
ファル  「じゃあ、だだだだだだ、ごん!ってやると痛そうだからやめる」
ハリー  「ケンカキック!」
ファル  「だーっ!」
GM  「蹴ったくらいじゃ開かないんじゃないかな。ほとんど壁のよう
   な感じだな」
ファル  「えーと、鍵穴ある?」
GM  「鍵穴はないです」
ファル  「じゃあ、どうしよう。ノブある?」
GM  「ノブはないです」
ハリー  「押してみる」
ファル  「おりゃおりゃおりゃ!」
GM  「・・・・・・」
ファル  「引いてみる」
ハリー  「いや、引けないだろう」
GM  「引けない。取っ手がないから引けないです」
ファル  「おお、どうしよう」
ハリー  「引き戸かな?」
GM  「引き戸でもなかった」
ハリー  「じゃあ、捨て台詞を吐いて、そこを離れる(笑)」

  T字路へ戻り、もう一方の通路を進んでいきます。通路は右へ曲がり、
 少し行くとまた右へ折れています。すると突然、道幅が倍くらい広くなり、
 そこにはプールのようなものがありました。通路全体が窪んでいて、そこ
 には妙な液体が満たされています。

ハリー  「じゃあ、手元から保存食を取り出し、投げ込んでみる」
GM  「ジュウウウウ! 溶けるぜー!」
ファル  「ひょーっ!」
ハリー  「保存食がマイナス1!(笑)」
GM  「強い酸のようなものです。こりゃあ、人間が飛び込んだら溶け
   るな! 入った時から妙な臭いがしたのは多分これのせいですね」
ハリー  「プールの周辺を見る。調べる。何かないか?」
GM  「何もなさそうだな」
スティーヴ 「プールの向こう側には行けない?」
GM  「プールに入らずに行く事は出来ません」
ハリー  「プールサイドはある?」
GM  「プールサイドはないです」
亜美  「通れないってこと?」
ハリー  「酸がどっかから流れ込んでる?」
GM  「いや、そこに溜まってるだけなんだ」
ハリー  「向こう側見える?」
GM  「照らしてみれば見えるけど」
ハリー  「向こう側、何があるの?」
GM  「通路があって、左の方へ曲がっています」
ファル  「難しいな」
亜美  「誰かハシゴ、なんて持ってるわけないか」
ファル  「やっぱり戻って、さっきの『こんこん』って軽い音のした所、
   あそこだな、全速力で駆け抜ける! だだだだだだー!」
GM  「そんなわけで、ここは走り回ると揺れるんですね」
ファル  「あれ?」
GM  「揺れるぜ! あ、出入口の坑道が塞がった!」
ハリー  「ええーーーーーーーー!!!」
ファル  「ひょー!」
GM  「崩れてきました! 岩盤が崩れやすくなっているのに、ドタバ
   タ走ったり、壁に激突したりするから」
ファル  「あーおもしろい、おもしろい、とか言って、懲りずに壁に向か
   って体当たり! だだだだだだ、だー! どーん!」
GM  「そんな事をしても・・・」
ハリー  「とりあえず・・・」
スティーヴ 「とりあえず、みぞおちに1発!(一同苦笑)」
ファル  「げほって!」
ハリー  「眠らせる!」
ファル  「いや、今寝てるって! クー」
ハリー  「とりあえず、カバンにしまっておこう。首だけ出して!(笑)
   さてと、その軽い音が鳴ってた所があったな。まあ、その辺を
   よーくよくよくよくよく調べよう」
GM  「よーくよくよくよくよく調べたところ、やっぱり何もありませ
   んでした」
スティーヴ 「なんもない?」
GM  「だって普通の壁なんだもん、見た目は」
ハリー  「蹴って蹴って蹴って蹴って、ボカンボカンボカンボカン!」
GM  「確かに、向こう側が空洞になっているような音がしますけど」
ハリー  「あたたたたたたたたー!と叫ぶ」
GM  「それはちょっとゲームが違うんじゃないの!?(一同爆笑)」
ファル  「ぱちっ!と目を醒まして耳を・・・」
ハリー  「壁に耳を当ててみる」
ファル  「そうそう!」
GM  「耳を当ててみても・・・」
スティーヴ 「風は?」
ファル  「風はこない?」
ハリー  「水の音がするとか」
GM  「風の音もしない。水の音もしないな」
スティーヴ 「風とか空気が流れてきたりとかしない?」
GM  「空気の流れはない」
ファル  「おもむろにブロックをはずしてみよう」
GM  「おもむろにブロックをはずす事は出来ないな」
ファル  「ちっ!」
亜美  「さっきの部屋は鍵だけなのかな?」
ハリー  「よし、もう一回部屋に戻ろう」
ファル  「てけてけてけ、おっと! 私はズタ袋の中に入ってたんだ」
ハリー  「そうだ! おまえは動けない」
ファル  「首だけ出して、ケテケテ笑ってるの(笑)」

  状況打破を試みる冒険者達は、鍵を見つけた部屋へ戻って調べ直す事に
 しました。

GM  「さて、鍵があった部屋にやってきました」
亜美  「とにかく壁沿いに・・・」
ハリー  「とにかく壁をコンコン叩いて調べまくろう」
GM  「なんにもないな」
亜美  「天井に抜け穴らしきものは?」
GM  「ない」
ファル  「じゃあ、床を調べよう。チェック! 14!」
GM  「でも、なんにもないな」
ファル  「じゃ、何もないんだ」
ハリー  「誰かロープ持ってない? あ、そうだ。ファルの七つ道具に入
   ってないかな」
ファル  「七つ道具ってさ、鍵開けの為の物だぜ」
ハリー  「じゃあ、誰もロープ持ってないのか」
ファル  「ロープは持ってないな」
ハリー  「じゃ、ちょっと待って。ズタ袋の紐をほどいて、今、紐を作る
   から」
ファル  「そうしたら、私が自由になる。けてけてけてーって走り回る」
ハリー  「その紐を首に巻いておくんだよ(笑)」
ファル  「きゅーっ!」
スティーヴ 「鵜飼い状態!(一同爆笑)」
ファル  「私は動物じゃないですよー! 何するんですかー!」
ハリー  「あとは、重い扉だな」

  冒険者達は取っ手のない扉を調べるため場を移します。TRPGに於い
 てダンジョン内を移動するとき、一度行った場所であれば敵が出現しない
 限り、アドベンチャーゲームの『場所移動』コマンドのように即座に行き
 たい所へ行けるので、ゲームの進行はズムーズになりGMは大助かりです。
 しかし、その反面、GMが気が付かないうちにいつの間にか場所移動して
 いる事があり、混乱する事があります。

ファル  「押して駄目なら引いてみな、引いて駄目なら押してみな」
ハリー  「扉の周辺をまた調べよう」
ファル  「10!」
GM  「いや、なんもみつからんのう」
ハリー  「じゃあ、『センス・マジック』をしてみよう」
スティーヴ 「うぃーっす!」
GM  「センス・マジックで魔力があるかどうか調べるのか」
スティーヴ 「そう、魔力がかかってるかどうか」
ハリー  「『ロック』がかかってるかも」
スティーヴ 「あ、『アンロック』持ってるじゃん」
ハリー  「あ、アンロックすりゃいいんじゃん(笑)」
スティーヴ 「じゃあ、アンロックに切り替え。だって同じ精神点だもん」
ハリー  「でも、ロックじゃないかも知れない」
スティーヴ 「じゃあ、センス・マジックやろう。12!」
GM  「どうも魔力がかかってるんじゃなさそうです」
亜美  「扉の下に水を流してみたいんだけど」
ファル  「だって! ちょろちょろちょろちょろ・・・」
GM  「うん、確かに流れていく」
亜美  「流れるだけ?」
GM  「流れるだけ」
ハリー  「酸をなんとか運べないかな? ちょっとでいいから」
亜美  「水袋で運べ・・・ないね」
一同  「・・・・・・」
亜美  「誰かぶった斬る魔法とかないの?」
スティーヴ 「だって、まだヒヨッコだからそんなの使えねえよ」
ハリー  「俺、戦士だから無理だ」
GM  「確かにそういう魔法もないことはない」
ハリー  「じゃあ、通路をしらみつぶしに調べよう」
亜美  「酸の海の下に穴開けちゃえはいいんじゃないかな」
ハリー  「どうやって?」
ファル  「『トンネル』でバン!」
ハリー  「トンネルはね、手を加えられたところじゃ駄目だ」
GM  「トンネルが使えるレベルかいな?」
ファル  「使えないレベルだなあ」

  冒険者達は、空洞があると思われる行き止まりを調べ直す事にしました。

ハリー  「じゃあ、アフロに斧で破壊させよう」
アフロ  「シークレットドアはないの? もう一方の行き止まりの方に」
ハリー  「隠し扉捜せ!」
ファル  「隠し扉チェック!はあっ! 8だな」
GM  「なんかそこに、色違いのブロックが・・・」
ハリー  「おやっ! 押してみる」
ファル  「おりゃあ! だだだだだだ、だー!どーん!ごん!」
GM  「すると、さっきの空洞のある行き止まりの方から、物音が・・・」
ファル  「じゃあ、だだだだだー!って思いっきり走る!全力疾走!」
ハリー  「でも、首に紐がついてるから、ぐいん!」
ファル  「ぐえっ!(一同爆笑)」
スティーヴ 「一瞬、宙に舞うよ!(笑)」
GM  「で、さっきの壁は消えていました」
一同  「わーい!」
GM  「向こうの空洞は部屋だったようです」
ハリー  「入る」
アフロ  「ドワーフ一番乗り! やはりドワーフが一番!」
ファル  「グラスランナー続く!」
GM  「ああ、宝箱が・・・」
アフロ  「ドワーフ速攻開ける!」
ファル  「ドワーフが開けるそうです」
ハリー  「俺、離れてる」
スティーヴ 「俺も離れてる」
ファル  「ぴったりくっついてて、後ろにいる」
スティーヴ 「伏せてようかな」
亜美  「宝箱があるんですか?」
GM  「うん。で開けるの?」
ファル  「斧で叩き割るんだろ?」
アフロ  「叩き割る」
ハリー  「おりゃ!」
ファル  「うりゃ!」
GM  「叩いたんですけど、結構堅くて、ガキンと音がして、傷がつい
   ただけです」
ハリー  「手が痺れた」
亜美  「鍵がひとつあったじゃないか」
ハリー  「ああ、そうか。じゃあファルに、鍵で開けろー、と叫ぶ」
ファル  「じゃあしょうがないな、って言っておもむろにカチャって」
GM  「残念ながら鍵は合わないようだ」
ファル  「じゃあ自分で開ける。鍵開けチェック! ほあっ! 11!」
GM  「おお、鍵は開いたようだ」
ファル  「カチッ! ガパッ!ておもむろに開ける」
GM  「開けるとね、そのとき天井からブロックがひとつ、開けた者の
   頭に落ちてきた」
ファル  「敏捷度チェック!」
GM  「いや、気付いてないと思う」
ファル  「がん! キュウ!」
GM  「ダメージ2!」
ハリー  「バケツだったら大爆笑なのにな(笑)」
スティーヴ 「たらいだな!」
ハリー  「ああ、たらいだな!」
GM  「そうするとね、箱の中にはね、皮製の袋があってね、中に何か
   入っています」
亜美  「その中身は?」
アフロ  「ドワーフが没収!」
GM  「中を見てみるとね、粉が詰まっています」
ハリー  「それさ、そっちの頭のいいセージさんに調べてもらおう」
アフロ  「アフロは頭がいい!」
ハリー  「アフロは雑用係!」
アフロ  「俺って一体・・・」
亜美  「8!」
GM  「それはどうも、古代王国時代に造られた物だけど、何に使うか
   は解らない」
ファル  「黒い?」
GM  「いや、黒くはないです」
ファル  「なんだ!」
スティーヴ 「これを酸に入れると固まるとか」
アフロ  「固めるテンプル!」
ハリー  「よし、じゃあ早速そこまで行こう」

  ようやく話が進みだし、冒険者達は再び酸のプールへやってきました。

ファル  「でいやー!ひゅうー!」
ハリー  「投げない投げない! とりあえず一握りパラパラと」
GM  「パラパラとやると、そこが少し固まり始めましたよ」
ファル  「おもむろにスッとこの人の手からスッて、自分がポイッと入れ
   る。放り投げる」
一同  「あ・・・・・・・・・・・・・・」
ハリー  「・・・・・ばらまかなきゃいけないのに。」
一同  「あ〜あ、もう終わったね。」
GM  「袋が真ん中辺にボチャン!と落ちて、そこが半径1メートル程、
   固まりました」
亜美  「じゃあ、そこを経由して飛べばいい」
ハリー  「このばか○○(プレイヤーの名前)が!!」
ファル  「○○じゃないもん! ファルだよ」
スティーヴ 「落とすか、こいつ!」
ハリー  「投げようぜ!」
スティーヴ 「こいつ放り投げようぜ」
GM  「そこの、固まった所までジャンプすると、だいたい3メートル
   か4メートルぐらいですけど」
スティーヴ 「助走して投げる」
ファル  「投げてもらいます」
ハリー  「むんず! ひょい!」
ファル  「ひゅー、くるっとすたっとアクロバット!」
スティーヴ 「こいつはいいよ、アフロはどうする?」
ハリー  「じゃあ、ファルはなんとかして向こう岸まで行け!」
ファル  「向こう岸まであとどれくらい?」
GM  「3メートルぐらい」

  ファルはなんとか向こう岸まで辿り着き、そこから単独で古代遺跡の奥
 の方へ探索に向かう事になりました。その間、その他の冒険者達はその場
 で待機する事になりました。
  というわけで、ここから先の状況はファルだけが知る事が出来ます。そ
 の他のプレイヤー達は話から離れて、「がんばれよ、マップも自分で書け
 よ。」と言い残し、漫画や雑誌に興じるのでした。

 第13章 ファルの単独探索

  ファルはGMの説明を頼りにマップを記しながら、奥へ進んで行きます。
 やがて扉に行き当たりました。

ファル  「開けてしまいましょう。ほい!ファンブル!」
GM  「1ゾロかい!(笑)」
ファル  「じゃあ、懐から鍵を出して・・・」
GM  「鍵は開いた」
ファル  「中に入る」
GM  「そこは部屋になってるんですよ。結構大きい部屋だよ。中に入
   るとね、そこでは何も聴こえない事に気付くんですよ」
ファル  「あれ?」
GM  「自分の喋る声も聴こえない。真ん中に石像が二つあります」
ファル  「ああ、てことは自分の唄も聴こえないのか。じゃ、とりあえず
   石像が二体程いるんだよね? じゃあ、おもむろに見てみよう」
GM  「君が近づくとね、石像が動き出す」
ファル  「ひょー! 全速力で逃げる」
GM  「そうすると、向こうの方は動きを止めたようですけど」
ファル  「また近づく。ちょっと警戒しながら」
GM  「石像の眼がカッと開いて、君をじっと見ているようです」
ファル  「じゃ、睨み返す」
GM  「そうずると、向こうはかなり凶暴な目つきになりましたけど」
ファル  「ふーん。じゃ、しばらく眺めてる。動き出したら全速力で逃げる」
GM  「君が睨み返していると、石像はとうとう動き出しました」
ファル  「扉の方へダッシュ!」
GM  「それでまあ、部屋を出たところで後ろを振り返ると、石像は元
   の場所に戻っている。どうも、この部屋に入ってくる者に対し
   てかなり警戒しているようだよ」
ファル  「んじゃ、また部屋の中へ入って、とりあえず見回す。何かない
   か、使えそうな物が」
GM  「何もない部屋なんだよね」
ファル  「じゃ、さっきのところに戻ろう。酸のところに」
GM  「酸のプールまで戻ってくると、向こう岸でみんながくつろいでる」
ファル  「おーいって声をかけるよ」
一同  「おーいだって」「帰ってきたのか!?」
ファル  「うんとねうんとね、曲がっててね曲がりくねっててね、部屋が
   あってね、そこんとこにね石像がに二体いてね、そこんところ
   で入るとね、石像が睨んできてね動くんだよ!」
一同  「理解できません」「理解不能、理解不能」
亜美  「紙かなんかに書いて示してほしい」
ファル  「こんなところ(書いた紙を見せて説明する)」
GM  「さて、そこでみんなは、酸のプールの固まった範囲が広がって
   きた事に気付きます。さっき投げ込んだ粉が拡散して、さっき
   より1メートル程広がってきています。もう少し待てばもっと
   広がると思います」
ファル  「じゃあここでしばらく待とうか?」
一同  「寝ます」「爆睡!」
ファル  「私はまた扉の前まで行って・・・」
スティーヴ 「全部固まったら起こしてもらうということで」
GM  「ファルはひとりで部屋の様子をうかがっているということで」
ファル  「ランタン持ってて、ひょい!って見てる」
GM  「そして待つこと1時間ぐらいして・・・」
スティーヴ 「料理番組みたい(笑)」
GM  「酸のプールは固まったみたいです」
ハリー  「よし、歩けるな。じゃあ行こうか!」

  冒険者達は固まった酸のプールを渡り、部屋の前までやってきました。

 第14章 大ピンチ

ファル  「うんとね、部屋に入るとね部屋にはいるとね、喋れなくなる喋
   ってる声が聴こえなくなるからね、気を付けないとね魔法唱え
   られないんだよ。なんか魔法かかってるんじゃないかな? 調
   べてみれば?」
ハリー  「じゃあそうだな、『センス・マジック』だ」
スティーヴ 「センス・マジックね、10!」
GM  「なにか、部屋の奥の方から強い魔力が感じられるな」
ファル  「像の向こうに何かあるのかも知れないね」
ハリー  「じゃあ、とりあえず俺が不用意に入ってみよう」
ファル  「じゃ、ついてく。てけてけてけ」
GM  「君達が部屋に入ってくると、さっきの石像がまた動き出しました」
ファル  「で、その隙に像の後ろの方を見てみる」
GM  「奥の方を見ると、丸い物が二つ見えますよ」
アフロ  「速攻取ってくる」
ハリー  「速攻行け!」
GM  「壁にくっついてるんですよ」
ファル  「あれ?」
GM  「速攻行く。でもその前に二つの石像が襲ってくる可能性があり
   ますよ」
ファル  「ちょっと手におえないから、部屋の外に出る」
ハリー  「じゃあ、その石像はズケズケと前に来るわけね?」
GM  「うん、飛んでます」
一同  「飛ぶ!?」
ハリー  「じゃあみんなに、こっちに来い!というモーションをする」
ファル  「魔法使えないからね、気を付けてね」
アフロ  「あ、でも声が出ないんでしょ?」
GM  「だから、意志の伝達がとれない」
ハリー  「あ、てことは俺様の素晴らしい唄声が!」
スティーヴ 「まあ、長年つきあってるから、ハリーのアイコンタクトなら理
   解出来る」
アフロ  「ドワーフは入ってってもしょうがなくない? あ、外で待って
   て傷ついた奴が出てきたら回復してやるから」
一同  「それがいい(笑)」
スティーヴ 「これで怪我人が出なかったら馬鹿だよな(笑)」
アフロ  「ドワーフって何?一体・・・」
スティーヴ 「雑用係(笑)」

  冒険者達は部屋の拡大図をもとに作戦を練ります。

アフロ  「傷ついた奴は回復してやるぞ。俺もファイター技能さえあれば
   強いのに・・・」
GM  「一番速いのはスティーヴだな」
ハリー  「俺、Aに攻撃するから」
スティーヴ 「じゃ、俺、Bね」

  スティーヴは石像Bに殴りかかりましたが、ダメージを与える事は出来
 ませんでした。亜美の攻撃は当たりませんでした。石像は敏捷度こそ低い
 ものの身体が堅く、思うようにダメージを与えられません。しかも魔法が
 使えないので、冒険者達は苦戦を強いられます。石像の攻撃力はなかなか
 高いので、冒険者達は傷つき、窮地に立たされます。

スティーヴ 「部屋の外から、『エネルギーボルト』を2発かます。部屋の外
   なら使えるでしょ?」
GM  「うっ! いいところに気が付いたな。盲点を突かれてしまった」

  スティーヴの頭脳的な作戦は功を奏しましたが、石像の高い抵抗力の前
 にわずかにしかダメージを与えられません。

GM  「次は『ガーゴイル』の番か。あ!しまった! 名前を言っちゃ
   った!やべえ!(笑)」
ハリー  「マスター自らガーゴイルっていったぞ!(笑)」
一同  「みんな、ガーゴイルだぞ!(笑)」「たまにあるんだよな(笑)」

  戦闘は佳境むかえ、二体のガーゴイルは部屋中を飛び回り、冒険者達を
 じわじわと追いつめていきます。アフロが怪我人を回復してくれるのでな
 んとか持ちこたえます。ファルは隙を見て、部屋の奥へ走ります。丸い物
 は、壁に備え付けられたボタンでした。ファルがボタンのひとつを押すと、
 部屋のサイレント効果が消えました。もうひとつのボタンは押しても何も
 起きませんでした。

スティーヴ 「倒せないってことは、倒さなくてもいいんじゃないの?」

  冒険者達は、何も起きなかったボタンの意味に気付いたようで、これ以
 上の戦闘は無意味だと悟ったようです。ガーゴイルの攻撃を堪え忍びつつ
 なんとか部屋を脱出しました。

 第15章 仕事完了

  次に、冒険者達は重い扉へ向かいました。扉には取っ手がついていまし
 た。さっきのボタンは取っ手を出現させるためのカラクリだったようです。

アフロ  「ドワーフ一番乗り!」
GM  「部屋に入ると、部屋の真ん中に台があって、そこに青白い水晶
   球が置いてあります」
ハリー  「セージチェックしてみよう」
亜美  「10!」
GM  「残念ながら、どんな物なのか解らない」
ハリー  「どれくらいの値打ちがあるのか調べてみよう」
ファル  「シーフの宝物鑑定! ほあ! 13!」
GM  「うーん、どれくらいの値打ちがあるのかも解らない」
亜美  「後で持って帰ってから、調べてもらえば」
ファル  「他人に調べさせたら、高い鑑定料を持っていかれるぜ!」
ハリー  「とりあえず、さっと懐にしまう」
GM  「さて、これからどうします?」
スティーヴ 「誰かさんのせいで、坑道は塞がってるし・・・」
GM  「(ちょっとだけヒントを)まあ、みんなが入ってきたところは
   この遺跡の通路の壁が崩されたところからなんだよね」
ハリー  「ということは、他に出入口があるということか」
ファル  「出入口探せー! だだだだだだー!」
GM  「どこを探す?」
ハリー  「とりあえず、通路をしらみつぶしに」

  冒険者達は通路の壁や床をしらみつぶしに調べまくります。すると・・・

GM  「通路の曲がり角の壁の方から、冷たい空気が漂ってきます」
ハリー  「よっしゃ! アフロの斧で壁を壊せ!」
アフロ  「うりゃあ!」
GM  「斧で叩きまくると、壁がガチャンガラガラと崩れて、通路が現
   れました。で、通路の奥の方から水が流れる音がします」

  冒険者達が通路の奥へ進むと、地底の川がありました。どうやら坑道の
 地図に記されている地底の川のようです。冒険者達は川を下り、坑道に辿
 り着きました。坑道の外へ出て町へ戻り、冒険者達は、依頼主に鉱山は安
 全である、という説明をし、1人当たり500ガメルの報酬と2500の
 経験点をもらいました。

GM  「さて、とりあえず仕事は終わったんですが、これからどうする
   のかな?」
ファル  「とりあえず、エレミアに戻るしかないんじゃないかな?」
ハリー  「じゃ、エレミアに戻るか。他に行く当てもないからな」

  こうして冒険者達は見事、初仕事を成功させ、エレミアの街を目指して
 旅へ出るのでした。

     完

 あとがき

  約2時間に及ぶ録音テープを、ちょっと聴いては巻戻し、ワープロで台
 詞を打って・・・。1日1時間のペースでちくちくリプレイを書き、あの
 辛く苦しく楽しかった(私はマゾではないぞ!)大晦日から、3カ月半か
 かってようやく書き終わりました。今、私は煙草に火をつけて、ゆっくり
 と一服して・・・と思ったのですが、私は煙草は吸えないので深呼吸をす
 ることで一息をつく事にします。「はあーーーーっ」
  さて、このリプレイですが、第1章の冒頭でも書いたように、プレイヤ
 ー達には秘密で録音したのです。なぜ秘密にする必要があったのか? 本
 番の約1カ月程前にプレイヤーの内2人にそれとなく、「リプレイをやっ
 てみたいなあ。」というような事を言ったのですが、反応は良くはありま
 せんでした。特にプレイヤーBには「だめだ!」とはっきり反対されてし
 まいました。理由としては、普段どおりのプレイが出来なくなるから、と
 いう実にもっともな意見でした。それでも私の思いは強く、それならばみ
 んなには秘密で録音してしまおう、と考えたのでした。
  さて、後日自宅でわくわくしながらテープを一通り聴いてみたのですが、
 これの聴きづらいことといったら・・・。雑音は多いし、騒ぎ声が大きか
 ったりして、挙げ句の果てには全部収まっていない、というひどい物でし
 た。ですから、これをリプレイとして書くことがどれほど困難な事かご想
 像頂けると思います。
  そんな困難にもめげず、ちくちくと書いていて、あの日から3カ月程経
 ったある日のことでした。

プレイヤーB 「おまえがリプレイを書いているという噂を聞いたんだが・・・」
GM  「・・・・・・」
プレイヤーB 「質問に答えろよ(笑)」
GM  「誰からそんな事を聞いたんだ?」
プレイヤーB 「いやあ、それは・・・」
GM  「確かその事を知っているのは□□君(傍観者A)だけなんだけ
   どなあ・・・」
傍観者A 「(^^;;タラア」
GM  「まさか・・・!?」
傍観者A 「いや、お、俺は言ってないよ!」
GM  「ああ、でも、もうみんな知ってるみたいだしなあ。△△(プレ
   イヤーC)も気付いていたみたいだし・・・」
傍観者A 「でも、俺、本当に誰にも言ってないよ」
プレイヤーB 「俺は、△△から聞いたんだが・・・」
傍観者A 「△△!誰にも言うなって言っただろ!(笑)」

 確かこんな会話が△△の自室であったと記憶していますが、結局これがき
 っかけで、秘密が明るみに出てしまったわけです。その後、○○君(プレ
 イヤーA)の家に泊まったとき、リプレイのベタ打ちを読んでもらったり、
 録音テープを聴いてもらったりして、色々と感想と修正点を頂きました。
 ○○君、ありがとうございます。
  少々、内輪ネタが続きましたが、このリプレイはいかがだったでしょう
 か? それなりに楽しめたのではないかな、と思います。なにしろ、ひと
 りの人間の頭で考え出された話ではなく、何人もの人間の個性がぶつかり
 あって出来上がった話ですから、「現実は小説よりも奇なり」という言葉
 どおり、奇妙で面白い話になっていると思います。
  さて、今回は秘密に録音したため、プレイヤーの個性がモロに出ていま
 すが、そのうち、リプレイを収録する、と公言してプレイしたものをリプ
 レイにしてみたいと思います。きっと面白いでしょうね。変な事を言わな
 いように気を付けて喋っていて、ボロが出たときのプレイヤーの台詞や様
 子が・・・。
  では、またいつか、別の話のリプレイが出たときにお会いしましょう。

           木介

 GMの感想

  ここでは、私がゲームを振り返って、各キャラクター達がGMの目にど
 のように映ったか、GMの個人的な見方でお話したいと思います。

  まず、一番強烈な個性を放っていたのはファルでしょう。とにかくプレ
 イヤーA君はプロフィールで書いたとおりに、役を演じきってくれました。
 これはGMの立場としては願ったり叶ったりというところです。TRPG
 ではプレイヤーがいかにキャラクターを演じきるか、で話の面白さが決ま
 ってきます。よくあるパターンですが、キャラクターの性格とかをプレイ
 ヤーとは全然違う性格に設定しておきながら、やっているうちにキャラク
 ターの個性ではなく、自分自身の個性でプレイしてしまっている、という
 ことがよく見受けられます。キャラクターの立場でプレイしているのでは
 なく、自分自身の立場、或いは第三者の立場として冷静に物を考えるプレ
 イヤーがいるのです。こういったプレイの仕方でゲームをしていると、話
 のリアリティーやドラマティックな展開というものがなくなってくること
 があります。その結果、話がつまらなかったりするとGMのせいにされて
 しまうのです。まあ、GMの方に大半の責任があるのでしょうが。とまあ、
 理屈はさておいて、話を元に戻しましょう。とにかく、陽気なグラスラン
 ナーということで、とにかくよく喋る! このひとが一番台詞が多かった
 ことはまず、間違いないでしょう。行動もやることなすこと、ギャグにな
 ることもあれば、トラブルを招いて他のキャラクターからひんしゅくを買
 うこともあったりと、ちょこまかうっとおしい程に動き回ってくれました。
 ファルの行動のなかで一番印象に残っている事は、なんといっても、古代
 遺跡の酸のプールに、酸を固める粉を袋ごと投げ込んでしまった事でしょ
 う。あのとき、私は割と冷静に話していたと思いますが、予想外の行動に
 出られて、しかも予想外のトラブルが発生したため、私は頭の中で、どう
 やってクライマックスに導いてやろうかと、真剣に悩んでしまいました。
 色々と問題の多かったキャラクターではありますが、一番助けられた事は、
 坑道の落盤のきっかけを作ってくれた事です。鉱山に入る前にハリーが先
 の展開を予想していました。私は落盤をどのように起こすかはとくに決め
 ていませんでしたし、絶対起こしてやろうとは考えてはいませんでした。
 しかし、ファルが古代遺跡の中を駆け回ったり、壁や扉に体当たりを繰り
 返しているうちに、「これはチャンスだ!」とばかりに閃いたのでした。
 おかげで、なんの不自然さもなく落盤を起こす事が出来て、話を面白くす
 る事が出来ました。
  次にハリーですが、ファルと並んでよく喋ったキャラクターでした。ハ
 リーはパーティをうまくまとめて、最終的な判断を下すリーダー的な役割
 を演じてくれました。彼の行動では、なぜかファンタジー風の世界で、ヒ
 ーローロボット物の詩を唄っていた事が印象に残っています。戦闘時には、
 唯一頼れるキャラクターであった事には間違いはないでしょう。プロフィ
 ールにあった正義感が強い、という設定を演じていたかどうかはわかりま
 せんが、超熱血野郎というのは間違っていなかったように思います。
  スティーヴはというと、おそらく一番まともなキャラクターであったと
 思います。多少の事では動じない、という設定のためか、台詞は少なかっ
 たようです。ファルとハリーが中心になって色々動き回っているのを、後
 ろからじっと様子をうかがって、状況を冷静に見つめている、というよう
 なキャラクターであったように思います。プレイヤーCは自分のハメをは
 ずさないような性格に設定してしまったので、キャラクターの行動と台詞
 がプレイヤー本人とあまり変わらなかったように感じました。元傭兵だっ
 たのですから、もっと貪欲な荒々しい性格を加えると面白かったかもしれ
 ません。ハリーのプロフィールによると、ふたりが出会ったのは1年前と
 いうことでしたが、話の中で、長年のつきあい、になっていました。まあ、
 今更どうでもいいことですが・・・。
  亜美は、初心者ということもあって色々と戸惑いもあったと思います。
 女性という設定だったのですが、女らしい行動や台詞は皆無であったと思
 います。キャラクターの性格がいまひとつはっきりしていなかったので、
 自分でもどう演じていいのかわからなかったのでしょう。エレミアの街で、
 「立ってれば人が集まってくる。そのテの人が・・・」などと言っていた
 ので、男を誘惑する癖があるキャラクターなのかと思いましたが、彼女が
 個性を発揮できたのは、その場面だけになってしまい残念ではあります。
 まあ、初めからキャラクターを演じきれる人っていうのは少ないですから
 ね、これから少しづつコツをつかんでいってほしいものです。
  最後はアフロですが、さて、このキャラクターの存在がGMとって大誤
 算でした。プレイヤーEはかつてGMを経験したことがある、という話を
 聞いていたので、うまく立ち回ってくれるだろうというGMの期待に反し
 て、初心者同然の働きしかしてくれませんでした。ときおり、奇妙な台詞
 で座を明るくしてくれるのですが、役に立たない事この上ないキャラクタ
 ーでありました。金がない、アイテム持ってない、極めつけはファイター
 技能を持ってない、というドワーフの特性をここまで無駄にした人間は見
 た事がありません。役にたったのはガーゴイルとの戦闘の時だけだったと
 思います。まあ、GMにしてみれば、個性をいかんなく発揮してくれて、
 それなりに話を面白くしてくれたので、ありがたかったです。
 

  − 毎年恒例年末年越しTRPG・リプレイ 巻末特別付録 −

        「古代遺跡見取り図」
 

        @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ョCCイ@@@@ョCCCCイ
                                        、C、    、  E、
        @@@@@@@ョCCCCCCCCイ@@@@@@@@@@@@@、@@カCCCCニ@@@@、
               、   I   、        、      D、    、
        @@@@@@@、 @@@@@ @、@@@@    @、@@ョCCCCヨCCCCコ
               、   H   、            、  、
               、        、             、  、
        @@@@@@@カCホCCホCコ@@@@@@@@@@@@@、@@、
                  、G、                、  、
        @@@@@@@@@@、@@カCCCCCCイ@@@@@@@@、@@、
        @@@@@@@@@@カCCCCCCCCイ、@@@@@@@@、@@セCCCCイ
                            、、        、  、  B、
        @@@@@@@@ョCCCCCCCCCCコ、@@@@@@@@、@@、@@@@、
                、            、        、A、    、
        @@@@@@@@、@@@@@@@@@@@@、@@@@@@@@、@@セCCCCコ
                、  F        、        、  、
        @@@@@@@@、ョCCCCCCCCCCコ@@@@@@@@、@@、
                、、                    、  、
        @@@@@@ョコ、@@@@@@@@ョCCCCイ@@@@、@@、
              、  、        、  K、    、  、
        @@@@@@、ョコ@@ョCCCCニ@@@@、@@@@、@@、
              、、    、  J、    、    、  、
        @@@@@@、、@@@@、ョCCヨCCCCコ@@@@、@@、
              、、    、、              、  、
        @@@@@@、カCCCCコカCCCCCCCCCCCCCCコ@@セCCCCCCCCCCCCCCCCC
              、                          L、                 M
        @@@@@@カCCCCCCCCCCCCCC@CCCCCCCCCCCCCヨCCCCCCCCCCCCCCCCC
                              @

 @坑道へ。
 A鍵のかかった扉。
 B壁に鍵がひっかかっている。
 CDを開ける色違いブロック(スイッチ)がある。
 D普通の壁。
 E宝箱。中には粉が詰まった袋がある。
 F酸のプール。
 GBの鍵で開く。
 H二体の石像(ガーゴイル)がいる。
 Iサイレント効果を消す為のスイッチとJを開く為のスイッチがある。
 J取っ手がない扉。
 K謎の水晶球がある。
 L通路を塞ぐ壁。壊せる。
 M地底の川。下ると坑道へ。
 
 
 
 

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