1984年に翻訳された英国ミステリー

本年のベスト5
(1)『ロウフィールド館の惨劇』(ルース・レンデル)
(2)『第4の核』(フレデリック・フォーサイス)
(3)『名門』(ディック・フランシス)
(4)『ディーケンの戦い』(ブライアン・フリーマントル)
(5)『かくてアドニスは殺された』(サラ・コードウェル)

本年の特徴
 前年は不作だった冒険スパイ小説だが、さすがに二年連続不作ということにはならなかった。フォーサイスとフランシスという実力派作家の作品が刊行されたし、フリーマントルの作品も悪くない。ベスト5には入れなかったが、バグリイの『バハマ・クライシス』も刊行されている。だが、それらの作品を差し置いてトップに挙げたのは『ロウフィールド館の惨劇』。その後のレンデル・ブームを考慮に入れたものであるが、謎解き小説としてもサイコ・スリラーとしても楽しめる作品に仕上がっていた。『かくてアドニスは殺された』は新人作家の古典的な謎解き小説だが、物語の設定がユニークだった。

題 名 原作者 翻訳者 出版社 面白度
『自転車に乗った警視』 ティモシー・ウィリアムズ 青木久恵 文藝春秋 ★★★
『合衆国を売った男』 デッド・オールビュリー 峰岸久 東京創元社 ★★★
『沈黙の犬たち』 ジョン・ガードナー 後藤安彦 東京創元社 ★★★
『スピアフィッシュの機密』 ブライアン・キャスリン 田中昌太郎 早川書房  
『金融街にもぐら一匹』 マイケル・ギルバート 山田順子 文藝春秋 ★★★
『クイーンの定員T』 E・クイーン+各務三郎編   光文社 ★★★★
『クイーンの定員U』 E・クイーン+各務三郎編   光文社 ★★★★
『スナップ・ショット』 A・J・クィネル 大熊栄 新潮社 ★★★
『爆殺回路』 フランシス・クリフォード 吉野美恵子 角川書店 ★★
『サウザンプトンの殺人』 F・W・クロフツ 大庭忠男 東京創元社 ★★★
『ワイアットの復讐』 デイヴィッド・ゲシン 大庭忠男 早川書房 ★★
『かくてアドニスは殺された』 サラ・コードウェル 青木久恵 早川書房 ★★★★
『赤の女』 ポーラ・ゴズリング 秋津知子 早川書房 ★★★
『ジョン・コリア奇談集U』 ジョン・コリア 中西秀男 サンリオ  
『謀略山脈』 ジェフリイ・ジェンキンズ 工藤政司 早川書房  
『悪魔のウイルス』 スタンレイ・ジョンスン 竹村健一 実業之日本  
『モスクワ・スパイ・ストーリー』 ジョン・シンプソン 広瀬順弘 読売新聞 ★★
『オペレーション10』 ハーディマン・スコット 中上守 光文社  
『トゥインクル・トゥインクル・リトル・スパイ』 レン・デイトン 後藤安彦 早川書房  
『ベルリン・ゲーム』 レン・デイトン 田中融二 光文社  
『あぶない暗号』 アンドリュー・テイラー 山本やよい 早川書房 ★★★
『ピカデリーの殺人』 アントニー・バークリー 真野明裕 東京創元社 ★★★
『警察官に聞け』 アントニイ・バークリー他 宇野利泰 早川書房 ★★
『不肖の息子』 ロバート・バーナード 青木久恵 早川書房 ★★★
『三人の人質』 ジョン・バカン 高橋千尋 東京創元社 ★★★
『バハマ・クライシス』 デズモンド・バグリイ 井坂清 早川書房 ★★★★
『テロリストに薔薇を』 ジャック・ヒギンズ 菊池光 早川書房 ★★★
『エグゾセを狙え』 ジャック・ヒギンズ 沢川進 早川書房  
『ヒトラー日記』 リチャード・ヒューゴー 田中昌太郎 東京創元社  
『溺死人』 イーデン・フィルポッツ 橋本福夫 東京創元社 ★★
『ハイディング・プレイス』 フレデリック・フォーサイス 篠原・かわだ フジテレビ出版
『第4の核』 フレデリック・フォーサイス 篠原慎 角川書店 ★★★★
『ナポレオンの密書』 C・S・フォレスター 高橋泰邦 光人社
『名門』 ディック・フランシス 菊池光 早川書房 ★★★★
『ディーケンの戦い』 ブライアン・フリーマントル 池央耿 新潮社 ★★★★
『殺しの演出教えます』 サイモン・ブレッド 飯島宏 角川書店 ★★★★
『死の激流』 アリステア・マクリーン 平井イサク 早川書房 ★★
『パルチザン』 アリステア・マクリーン 冬川亘 早川書房 ★★
『暑いクリスマス』 ジェイムズ・マクルーア 佐々田雅子 早川書房 ★★
『小さな警官』 ジェイムズ・マクルーア 宮脇孝雄 早川書房 ★★★★
『英人教師殺人事件』 ジェイムズ・メルヴィル 田中昌太郎 中央公論社 ★★★
『神戸港殺人事件』 ジェイムズ・メルヴィル 田中昌太郎 中央公論社 ★★
『死は海風に乗って』 パトリシア・モイーズ 山本俊子 早川書房 ★★★
『死のクロスワード』 パトリシア・モイーズ 嵯峨静江 早川書房 ★★★★
『シャトル亡命軌道』 デレク・ランバート 田村義進 早川書房  
『夜勤刑事』 マイクル・Z・リューイン 浜野サトル 早川書房 ★★★
『ロウフィールド館の惨劇』 ルース・レンデル 小尾芙佐 角川書店 ★★★★
『沼地の蘭』 ヒラリイ・ワトスン編 中村保男 早川書房 ★★★
『若者は恐れずに歌った下 マーカム家の海の物語2』 ジョン・ウィリアムズ 田中清太郎 至誠堂  
『ジョニーよ帆をあげ舵につけ マーカム家の海の物語3』 ジョン・ウィリアムズ 小牧大介 至誠堂  
『サムは軍艦に乗って行ってしまった上 マーカム家の海の物語4』 ジョン・ウィリアムズ 田中航 至誠堂  
『サムは軍艦に乗って行ってしまった下 マーカム家の海の物語5』 ジョン・ウィリアムズ 田中航 至誠堂  
『月下の海戦』 リチャード・ウッドマン 高永洋子 二見書房  
『ノアの叛乱』 リチャード・ウッドマン 高永洋子 二見書房  
『黒海の砲煙』 V・A・スチュアート 海津正彦 光人社  
『西仏連合艦隊を迎撃せよ』 アダム・ハーディ 高津幸枝 三崎書房  
『リベンジ号最後の海戦』 A・フラートン 高沢次郎 三崎書房  
『狙われた秘密輸送船団』 W・ハワード・ベイカー 高永洋子 三崎書房  
『緋色の勇者』 ダグラス・リーマン 島田三蔵 早川書房 ★★
『大西洋、謎の艦影』 ダクラス・リーマン 高永洋子 早川書房  
『黒海奇襲作戦』 ダグラス・リーマン 池央耿 早川書房  

戻る